第2話

もちろん前もって連絡をし、宿の予約なども済ませて訪れているわけだが、私たちのようなよそ者が急に訪ねて大丈夫かと気が気でなかった。だがいざ着いてみると集落の人は遠いところ大変だっただろうと労い、迎えてくれて、私の心配は何だったんだと拍子抜けしたほどだった。


到着したのだから早速家を見せてもらおうとも思ったが私が疲れていたことに加え、ここまで来るのに時間がかかってしまいすでに日が傾いていたため、本格的に家を見せてもらうのは明日からにして、ひとまず今日泊まる民泊へ作田とともに向かうことにした。


そこへの道中もいくつか家の横を通ったが、なるほど、どれもあの写真のとおり窓が壁の半分よりも下、低い位置に造られている。

その窓からは家人の顔などは見えず、ひざから下の足の動きだけが見えるくらいだ。やはり不思議な造りである。


長時間の運転でへとへとの私だったが目的の家を目の前にすると気になってきて、先程の疲れも忘れて歩き回る元気が出てきた。


やっぱり少し集落の中を見て回ろうと作田に提案し、念のため民泊の主人にもそれが可能か、迷惑でないかを聞いたが問題ないとのことだったので、一度民泊に荷物を置いてから私と作田は再び集落の中を歩き始めた。

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