行列と適応進化

 その後、俺たちは歩き続け、街の門に着くと行列が出来ていた。


「マーク、何の行列だと思う?」


「分からない、カイ、頼めるか」


「鑑定スキルの仕事じゃないけど、私も気になるから見てみるよ」


 とおんぶしていたカイを肩車して、カイは門の方を眺めていた、するとカイは


「騎士の人達が入った来たものと何か話をして入って行ったぞ」


 と言われたのでなんだろと思いつつ


「カイ、ありがとう」


 と肩車をやめようとするとカイが


「やだー、もっと肩車してるー」


 と駄々をこねて暴れ出した


「どうして、肩車していたいんだカイは」


「だって肩車している間だったらレイラを見下せるし、マークと体全体で密着していられるし」


 と言われたので仕方ないと思いそのまま列に並んだ。


 並んでる時にレイラのお腹が鳴り過ぎて、前の人から干し肉をもらった以外大きな時間も無く、並び、騎士の人達の前に着いた、俺は騎士に聞いてみる事にした。


「この行列は何でしょうか?」


「今回はここで姫さまの直々の大会があるのでな、危険な人物がこの街に入らないようにしているのだ」


 と騎士からの話を聞き、俺たちは向かいあって納得の顔をした、すると騎士は


「あなた達は何の用でこの街に?」


 と言われたのでサンドリザードを狩った帰りだと騎士に説明すると、騎士は疑いの目をこちらに向け


「なんで、子供が、サンドリザードの討伐について行くのでしょうか?」


 と言われたのでそうかと思い、直ぐに


「この子がお父さんとお母さんの仕事が見たいと言って駄々をこねていたので、連れて行ったのですが」


 と言い放つと同時に俺は先手必勝と思い、カイの太ももを優しく叩いてに小声で


「カイ様、嫌だと思いますが、話を合わせてくださいお願いします」


 と話かけると、カイは偉そうな声で


「見返りに、何をしてくれるのだ」


 と言われたので何がいいかと迷っていると騎士が


「お嬢ちゃん、パパとママのお仕事はどうだった?」


 と優しく声をかけてきたので時間が無いと思い

「なんでもしますから、お願いします」


 と必死に小声で頼むと


「分かった、なんでもだぞ」


 と小声で返ってきて


「パパー格好良かったよ」


 とすりすりしてきた、するとレイラが


「カイちゃん、ママは?、ママは?」


 と俺はいらん事言うなと思いながら、見守っていると


「パパは格好良かったよ」


 とカイはレイラの事は褒めず、俺を褒めすりすりしてきた、レイラはもう一度


「カイちゃんママは?ママは?」


 と言うとカイは少し、キレ気味の声で


「パパは格好良かったよー」


 と俺にすりすりしてきた、そのやり取りを見ていた騎士が何かを悟った様に


「お嬢ちゃん、ママと早く仲直りするんだよ」


 と優しい口調で語りかけたきたので、カイは笑顔で


「分かったー」


 と言うと、騎士が


「これにて終了です、お通りください」


 と言って通してくれた。

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