一時の興奮と長年の絶望

@Korukusu

第1話

振り向く時にはもう遅かった。これ程過去に戻りたくなる時は僕の生涯にはもうないだろう。でも、どう頑張ったって時間は止まらず無常に進んでゆくだけだ。気がつくと僕の耳に悲痛な声がはいってきた。僕は残された時間で頭をフル回転させ、言い訳を考えた。しかしながら当然この事実を否定することは出来ない。前へ進むしかない。僕の母は自分の部屋のドアを閉め、父に電話をかけてきた。この先何があるか分からない。僕はとてもつもない不安に襲われた。1つはもちろん母に神聖なビデオをみてることがバレたことであり、2つ目は神聖な行為のためにわざわざTENGAを買って使っているところを見られてしまったこと。さらに動画に写っている女性は70代後半の裸の女性の性器にドラゴンの陰部を入れているものである。母の悲痛な叫びは自分の部屋まで聞こえてきた。僕は行為のために変身した下半身を隠さず部屋をでてこう言った「お母さん違うんだ!!これはオナニーじゃない自家発電だ!」干からびたティッシュが月の光に反射してキラキラ輝いていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

一時の興奮と長年の絶望 @Korukusu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ