俺がヒーロー

星之瞳

第1話

俺には三分以内やらなくてはならないことがあった。俺の名はウルトラマン。

M78星雲光の国から地球を守るために派遣されたヒーローだ。やらなくてはならないのは、目の前の怪獣をやっつけること。


地球上では、俺のエネルギーは3分しか持たない。それで普段は地球防衛軍の浅田龍一あさだりゅういちの体を借りて存在している。必要となったら変身してウルトラマンとなり戦う。


この怪獣は俺に時間が無いことが解っているようだ。のらりくらりと攻撃をかわす。そのためダメージが与えられない。渾身のスペシュウム光線もかわされてしまった。

カラータイマーが点滅し始める。どうする、時間が無い。その時頭に声が響いた。

『宇宙に行け、そこなら時間が伸ばせるだろう』

「その声は龍一か、だがそうするとお前の体に負担がかかる」

『そんなことはどうでもいい、もとよりお前に体を貸した時から覚悟していたことだ。今しなくてはいけないのは怪獣を倒すことだろう』

「解った」


俺は怪獣の後ろに回り羽交い絞めにすると、宇宙に向かった。


大気圏を抜けると太陽の光をまともに受けられる。そうすれば俺は無限の力を使えるのだ。

怪獣を放り投げると、俺は太陽のエネルギーを体にため、強力なスペシュウム光線を放った。それは怪獣に命中。怪獣は宇宙のチリとなった。


「龍一、すぐに地球に帰るからな」俺はそう言うと大気圏に突入し目の前が、炎と強い光に包まれた、そして・・・・・。


「はっ!」俺は強い光に目を開けた。カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。頭がぼーっとしている。時計を見るとまだ起床する時間ではない。「夢を見ていたのか、何ともリアルな夢だったな。『ウルトラマン』か懐かしいな。自分がウルトラマンになって怪獣と戦うヒーローになるんだって子供のころ憧れていたっけ。ま、実際はヒーローどころか、普通のサラリーマンだけどな。そういえばリメイクされた映画が上映されてるそうだな。今度の休みに見に行ってみるか」

俺、浅田龍一はそう思いながら、出勤の準備を始めた。ウルトラマンは俺にとって永遠のヒーローだから。

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俺がヒーロー 星之瞳 @tan1kuchan

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