みぃちゃんとボク【KAC20241】
結音(Yuine)
Side C
ミコには三分以内にやらなければいけないことがあった。
だから、
足元に寄ってきたそれに気を配ることができなかった。
***
みぃちゃんは、最近、忙しそうだ。
スマホをずっと見ているし、
なんか、ポチポチ打っている。
たまにPCを開いては、画面とにらめっこ。
立ち上がりの悪いPCに愛想を尽かすことなく、
今日もキーボードをたたいている。
そんな
最近は、ボクのこと構ってくれない。
愛想尽かされたのは、ボクの方なのだろうか。
そんな訳はない!
ボクは、ずっとみぃちゃんを見てきたのだぞ。
みぃちゃんが落ち込んだ時は、優しく慰めて。
みぃちゃんが喜んでいる時は、自分のことのようにはしゃいで。
そんなボクに振り向きもしないで、
みぃちゃんはなにをやっているのだろう?
ボクは、みぃちゃんが握り締めているスマホの画面を覗き見た。
……ん?
『※※※※ ※※※』
そこには、みぃちゃんのペンネームが!!
ボクとみいちゃんの付き合いは長いんだ。
それが、みいちゃんのペンネームだって、ボクには分かるよ。
みぃちゃん……
ボクは、みぃちゃんが、最近、ボクを構ってくれない理由を察した。
みぃちゃんは、ボクではなくて、
スマホの向こうの住人たちとお話しすることにしたんだ。
スマホやPCで「カク」ことにしたんだ。
これまでは、ずっと、ボクがみぃちゃんのことを支えてきたのに。
みぃちゃん……
ボクは、みぃちゃんの夢を応援しているよ。
いつか、
みぃちゃんの名前の本が出来たら、
その時は、ちょこっとだけ、ボクのことを思い出してくれると嬉しいな。
ボクは、みぃちゃんが がんばってきたことを知っている。
最近、みぃちゃんが忙しそうにしているのは、このせいだったんだね。
うんうん 悩んだり
うるうる 涙したり
ええぇーっと 叫んだり
みぃちゃん……
ボクは、なんだか 悔しいような 悲しいような
なんとも言えない気持ちを抱えながら、眠りについた。
明日の朝もまた みぃちゃんは、スマホの向こうの住人さん達とお話しするのだろうな。
また、ボクとお話してくれるようになる日は来るのだろうか。
ボクは不安を抱えながらも、少し眠ることにした。
みぃちゃん……
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