何のとりえもない陰キャの俺が、実は世界的に有名な正体不明のアイドルだとばれたら世界中から狙われた件
ラ主@多忙なう
第1話
「なんか何時も暇だなぁ、、」
俺の名前は西川裕斗。ド陰キャ高校生だ。
「裕斗、元気か?そんな暗い顔して」
そして彼が日向凌空。俺の数少ない友達だ。
「なーんか、いっつもつまんないなーって。」
「裕斗、全然人と関わってないからな。もっと関われば?」
「だよなぁ、、」
俺はただの陰キャ。すなわち高校生活に青春なんてものはない。
普通に高校に通っているだけ。
「じゃあ裕斗、今日カラオケ行かない?」
「却下。今日はやらなきゃいけないことがある」
「お前が?」
「失礼な。学校以外では充実してるからな」
「嘘つけ。ネッ友ですらいないだろ」
「いるし!...公式アカウントだけ」
「それただのBOTやん」
そんな俺が、親友の誘いを断った理由。
それは...
「みんな!盛り上がってるか~!」
「「「「お~!!」」」」
ステージの上で迫力ある踊りをしている青年。
実は俺だ。
「え、さっきと全然違うやん」と思ったそこのあなた。
半分わざとだ。それは。
陰キャなのは違いない。だけど、ばれないためにあえて見た目を変えているのもある。
俺は、裏では「ユウ」という名前でアイドルをしている。
フォロワーは900万人を超えている。いまや、世界でも名が広がりつつある人気アイドルだ。
しかし、世間では「リアルが正体不明」「顔が分からない」など、謎が多い青ドルとしても知られている。
それもそのはず。ライブ中でも顔の半分をマスクで隠してるし、リアルはさっきみたいな陰キャの姿だからばれることはない。
自分で言うのもあれだが、裏の姿では女子にモテモテだ。
エゴサをしてると、よく「ユウ様イケメン!」「付き合いたい!」とか見かける。
正直嬉しい。嬉しすぎる。
事務所は恋愛OKだから付き合うことも可能なのだが、正体不明キャラで通しているので実際不可能だ。
そもそも、俺がアイドルになったのは2年前。
俺はネットで歌ってみたや踊ってみたを投稿していた。
すると、今俺が所属している事務所の人が目を付けた。
そして、そこからアイドルデビューしたわけだ。
それが二年前の出来事なのだが、二年たった今。
フォロワーは900万を超える人気アイドルになったわけだ。
積極的にテレビに出たり、週に一回は変わらず「歌ってみた」や「踊ってみた」を上げる。
写真集とかも、撮りたいと言われたので取った。
そんな積極的に活動してきたのがおかげで、どんどん知名度が上がっていった。
それでも俺は正体不明を貫き通している。
何故かって?
「実は有名ってなんかワクワクするよな」
これを狙っていたからだ。
まさか凌空も思っていないだろう。いつも話をしている陰キャ高校生の俺が、テレビにも出てる超人気アイドルの「ユウ」と同一人物だなんて。
もちろん世間にばらす予定もない。そもそも俺が「ユウ」だって言っても誰も信じてくれないに決まってるからな。
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