第11話 戦い

「はあ!」


 ご主人様は、私の車いすごと屋敷のドアを破壊して、中に入っていく。その勢いのまま中に入りこんでいる敵を切り裂いていく。中はどうやら互角の戦いのようだ。これはご主人様がいたらもうぼろ勝ち?

 だが、そうは馬聞かないだろう。ご主人様を殺しに来た、つまり強いやつらだという事だ。しかも私というハンデも背負っている。


「この屋敷を取り戻させてもらう!!」


 そう叫び、どんどん切り殺していく。修羅のように。


 そして、すぐに中に入り、メイリスのもとへたどり着く。


「メイリス!!」

「……ニナ?」

「うん。良かった。生きてて」

「ええ、ニナも」


 そしてメイリスはご主人様を見た。


「それで、これからの方針は?」

「そうだな。とりあえず今の状況を教えてくれないか?」

「はい! 今はしのげてますが、外にいるラージャスという男が強いです」

「なるほど、そいつさえ倒せば行けるという事が」

「はい」

「じゃあ、そいつを倒しに行く。メイリス、ニナを頼むぞ」

「かしこまりました」


 そして私はメイリスのもとに送られ、ご主人様は、ドアを開き、屋敷の外に出る。戦いに出るのだ。


「ねえ、メイリス」

「何?」

「私、ご主人様が勝たないと、危険に合うという事は分かってるんだけど、ご主人様を無条件で応援できない」


 そう、今まで受けてきた仕打ちを考えると、純粋には応援できない。


「私は……」

「それが当たり前だよ。その手枷で拘束されてるんだもの。でも、ご主人様が、クルセイド様、勝たないといけないんだけどね」

「……」


 私の心は荒れている。ご主人様と敵が相打ちと化してくれれば一番いいのだろうか……。

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