宇宙に一撃をあたえるまでは。
只石 美咲
序章
都市が1つ消滅した。
なんの変哲もないただの日常で突如人々は5000℃の熱にさらされた。
人の痕跡は跡形もなく消え去り、日常は崩壊した。
都市周辺ではやけどや皮膚の爛れなどの症状を訴える者が多数出現したが、医療は幸い逼迫しなかった。なぜなら都市にいた人々はもれなく一瞬で床に黒い影を残すだけでこの世から去り、仮に体が残っても大抵移動をしている最中に死んでしまうからだ。
人々は涙を流し、この悲しみや怒りをどこにぶつけるかを血眼になって探った。
規模からして外国からの攻撃なのだろう。
統都は世界都市ランキング2位であり経済規模も3位と蹴落とすにはちょうど良い。
しかし、全くと言っていいほど攻撃された痕跡がないことが人々を困惑させた。
首都圏だったこともあり、政府機関はもろもろなくなり、国をまとめる為に新政府が樹立された。
人々は新政府に対して懐疑的であり、様々な陰謀論が創りだされていた。
そこから、この攻撃の証拠が新政府によって情報統制されているのではと考える人もいたが、それらは空想でしかないことが証明される。
航空会社や民間軍事会社などが提供している航路図においても事件発生時に不審な動きをしているものはなく、国内民間衛星や国から公開されている軍事衛星、外国の衛星などで都市を比較してみても一切合成や隠蔽は見られなかったからだ。
誰もかれもが疑心暗鬼となり、世界各国が互いを信用しなくなった。
都市を痕跡もなく消し去れるような兵器を持っているのではと互いを探り合い、特異な技術や動きを発見したら、言いがかりをつけて戦争を引き起こした。
ほんの少しの相違により何百万者人が戦争によって死んだ。
それによって世界都市ランキング4位カラトス、7位嶄が戦争によって壊滅又は維持が不可能となり世界経済も混乱の極みに達した。
我が恵国では人々の移動が加速した。
高等区、中等区、低等区、外縁というような人々の中で住む場所の階級が確立され上のものは下のものに仕事を押し付け、密集せずにまばらに住むことができたが、下のものは密集した都市に住み仕事に携わらなければいけなくなり人々の中で格差が拡大した。
でも誰もがいまだに恐怖にしばれらたままだ。
なぜならあの災害の原因がわからないのだから。
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