第29話 地上を魔力で満たす元英雄
「これでもう身を守る後ろ盾はないな」
ネットニュース見ると松本大臣が辞任並びに政界から永久追放されたという記事があり、完全に後ろ立てを失ったことがわかった。
記事を詳しく見ると俺の殺人の容疑で逮捕令状が出されているようで松本大臣本人は行方をくらませているらしい。
「機が訪れたようだな。マツモトの元に出向くのか?」
「ああ。後ろ盾を失って、しかも誰にも行方がわからない──本人が誰にも感知されていない状況。誰にも邪魔されずに、地上で魔法が使えない俺が松本を殺すにはこのタイミングしかない」
「そうか。では私も行こうか」
「地上には魔力がないから魔人は出れないはずだ。どうやって行くつもりだ?」
「秘技を使い魔力を地上に噴出させる」
地上にホムラが行くと言うのも驚きだが、秘技を使うと言うのも驚かされる。
確かホムラの兄の殺戮の王でもメサイヤの提供した魔力供給でドーピングしなければできなかったはずだが、ホムラはどうやって秘技を発動するのか。
「当たり前であるが魔力を地上に供給するのは膨大な魔力がいる。今までの闘いぷりからレンの魔力量を推測するに私の魔力量と合わせれば秘技が発動できるはずだ」
「俺自身も自分の魔力量はよくわかっていないし、秘技にどれだけ必要なのかわかっていないが、ホムラの助力と地上でも魔法が使えるようになるなら試してみる価値はありそうだな。ホムラに魔力を供給すればいいとは思うが具体的に何をすればいい?」
「私の体に触れて、魔力を私に流すイメージをすれば自ずと供給されるはずだ。一度でうまく行くかはわからんが実際にやってくれ。成功したら秘技をそのまま発動させる」
そんな簡単なことでと思いつつもホムラの肩に手を置いて魔力を流す意識をすると確かに何かを吸われるような感覚がした。
「前座の私への魔力供給は成功だな。では秘技を発動するぞ!」
ホムラが腕を前に突き出すと手のひらから赤い魔力の奔流が湧き出し、ダンジョンの中で暴れるかと思うとダンジョンの外に向けて殺到し始めた。
ーーー
よろしければ、フォロー、いいね、星お願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます