第13話 人気配信者をパーティーに加える元英雄


「はい、これで全部かな」


 舞霧さんと連絡を取り、配信機材一式を入り口付近で受け取った。


「ドローンはテレビでよく宣伝してる最新式の奴だけど本当によかったの?」


「いいですよ。確かにそっちの方が性能自体は上ですけど、私のドローンは美顔機能ていう唯一無二の機能がありますから」


「マイキリは整っているから美顔機能など使わなくてもいいと思うが」


「甘いですね。ホムラちゃん。たとえ自分から見て整っていると感じても割と他の人から見たら微妙だったりするんです。それがこの美顔機能を使えば、誰もが綺麗だと思う顔に修正されるんです。つまり私はこれを使えばモナリザになれるんですよ」


 年頃の子ということもあるが美への執着が神がかっているな。

 現時点での最高スペックのものを差し置いてもその機能を取るとは。

 こちらとしては助かるのだが。


「ホムラちゃんも欲しいのならばお姉ちゃんサービスしちゃいますよ」


「いらん。道具に頼り、自らの精進を忘れたものに明日はない」


「び、美顔機能はホムラちゃんにはまだ早かったみたいですね。そのドローンの使い方はわかりますか」


 ホムラがピシャリと拒否して訓戒を述べるとどこかで思い当たる節があったのか、舞霧さんは美顔機能付きのドローンの話題は切りあげ、話題をこちらのドローンに戻した。


「そうだな。見た感じと同じで表示通りにボタンを押すだけならば大丈夫そうだが」


「なら大丈夫ですね。早速試運転がてら配信しちゃいますか? 今なら私も配信に参加して背中を後押ししちゃいますよ」


「スタートダッシュから人気配信者が出てくれるなら心強い。是非頼むよ。でも俺たちは『覇者の塔』の深層を目指すつもりだから、普段君が行っているD級ダンジョンより断然危険の多い場所での配信になるが大丈夫か?」


「お二人がフォローしてくれるなら多分何とか。いや、やっぱりちょっと宣伝協力するくらいにしようかな」


「案ずるな。我々二人には死角がない。マイキリ一人くらいならば十分守りながら下に行けるはずだ」


「頼もしいですね。ホムラちゃん。とても年下とは思えないです。私も腹を括りましょう。有言実行したいと思います」


「じゃあ決定だな。お兄チャンネルの初配信を始めようか」



ーーー


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