転生ハイファンタジー~ローファンタジーの世界で命犠牲にして世界救ったらハイファンタジーの世界に転生したので能力2つでまた世界救っちゃいます~

あつかち

プロローグ ローファンタジーの終わり

「お前ももうここまでだ」


「くそっ、まさかこの私がここまで追いつめられるとは…」


俺は今、この世界を滅ぼそうとしている魔王と戦っている。

この世界はほとんどの人が能力を持ってないし、存在すら知らない。いわばローファンタジーの世界だ。

そんな世界の中俺は能力を持って生まれ、その能力で魔王を倒そうとしている。

かなり厳しい戦いだが、何とかここまで追いつめることができた。


「そういえば、まだ名を聞いてなかったな。貴様、なんという?」


「前野世界だ」


「ほう、そうか」


「もう、雑談はおしまいだ。さっさと決着をつけてやる」


「そうか。でも貴様、自分が勝てると思ってるだろ」


「ああ。ここまでお前を追い詰めたんだ。あとはお前の首をいただくだけだ」


「それはどうかな?」


魔王はにやりと、不気味に笑った。


「どういうことだ?」


「たしかに貴様の能力 血液暴走 は、自身の負ったダメージを力に変換する能力。貴様の高い戦闘力とも相まって強力な力となっている。でも、それを私は超えられるのだよ」


「なっ、マジかよ」


「ああそうだよ。じゃあ、決着をつけるとするか」


すると魔王は空中に浮遊し、十メートル入ったところで止まった。


アースブレイカー


魔王は自身の右手を掲げ、そこに巨大な黒い球体上のものを作り出した。ただでさえ巨大なのに、だんだんと大きくなり、最終的には学校の教室くらいの大きさになっていた。


ああ、もうおしまいだな。どう考えてもあれは耐えられない。でも、


「なにがあっても、お前だけは絶対に倒す」


ブラッドラグナロク


俺は両手を腰の横のところまで持っていき、力をためた。すると、そこには赤黒い球体ができた。


「ぶはっ」


俺は血を吐いた。この技は強力だが反動が大きい。使ったら確実に死ぬ。でも、これでいい。


「これで、お前を倒して、世界を救えるのなら!」


俺はそのまま、右手を前に突き出し、球体を飛ばした。

魔王もアースブレイカーを飛ばした。

お互いがお互いの全力の技を相手にめがけてはなった。

お互いの技が二人の間でぶつかりあう。

最初こそ互角ではあったが、だんだんとブラッドラグナロクが押していき、とうとう魔王にアースブレイカーもろとも直撃した。


「くそっ、この私が、貴様なんかに…!」


そういって魔王は消えた。


「これで、世界は救えたか…」


安心したのもつかの間


「ぐっ、がっはっ…」


大量の血を吐いた。それと同時に倒れてしまった。呼吸も苦しい。視界がぼやける。間違いなく死んだなこれ。でも…


最後に、世界を救えてよかった…


そういって俺は息絶えた。多分、最後は笑ってたと思う。

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