疎遠気味の兄と仲を自力で戻すまで

ホオジロ夜月

第1話 きっかけ

 まずこうして再び兄と仲良くなりたい。ある程度話したりするぐらいの仲になりたい。と思ったのは僕が社会人として働きだしてから半年ほど経過した時のこと。



 人は環境の変化で自分自身のものの考え方など良くも悪くも変化していきます。

 いつも家事をしてくれたり、食事を作ったり、それらをクタクタになるまで働いた後に全てこなすとなると一人暮らしを経験したことがない僕から見れば、それがどれほど大変なことはよく理解できます。


 どちらかと言えばこれから一人暮らしをちゃんとできるか、自炊や節約などの不安について今は考えておかないでおきます(笑)



 そして本題。社会人として半年。僕は前述した労働の大変さを身に染みて理解し、親への感謝の気持ちも抱くようになりました。それは兄に対しても例外ではなく。しかし両親と違って兄とは小学生の頃までは一緒にFPSゲームをしたり、夏休みを手伝てもらったりとあの頃は比較的、仲良しでした。



 しかし中学に上がるところで少しだけ僕の中で兄に対する態度、見かたが一変。おそらく思春期が大きく関わっていて小学校の頃は特に気にもしていなかったのですが、僕と兄を一言で言うなれば『正反対』でしょうか。僕は中学からは割と太っていき文化部。しかし兄は体系は細身かつ、運動部(サッカー部)

 おまけにテスト、勉強も僕は苦手で兄はその逆。

 両親から比較されることはありませんでしたが、当時の僕は勝手に比較してしまうぐらいに自己評価は低かったと思います。

 


 それから体育祭で兄弟そろって同じ色のチームになることもありました。それからはクラスメイトの中にはサッカー部の人もいたので、兄のことで話しけられることもザラにありました。彼らにとってはなんてことない話題だったとしても、僕にとってあまり聞きたくないと思うばかりでした。



 そして体育祭の種目ごとの練習中、僕は少しだけ足を痛めていました。そのことは他の先輩経由で兄に伝達(兄が副団長だったため)そのことを兄から普通に心配してくれたのにあの時の僕はとても素直とは言えず、ひねくれていて、今思えば駄々をこねていた子供って感じで恥ずかしいなぁ~と思いましたね(笑)



 それから中学、高校、就職を経て僕は丸くなりました。そして丸くなった今僕は兄との遠くなった関係を勝手に遠ざけた距離を戻そうと今尚、奮闘中です。

 次回はその話について話していきます。


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