悲劇の始まり

(イグナルト視点)


◆盗賊達がアジトにしていた洞窟


「はぁ、やはり考えすぎだったか?」


俺は盗賊達がアジトにしていた洞中を調べていた。

頼まれていた調査はすぐに終わったので、

今は個人的に気になっていた事を調査をしている


なにか情報が無いかと、血眼になりながら詮索する。

しかし、何も見つからない、


洞中は土の壁で出来ており、蠟燭の灯りが均一に全体を照らしていた。

なにに入れば何もなく、普通の洞窟にしか見えな、、


これは奇妙だ、、

何か違和感を感じる。


なぜこんなにもなのか?


仮にもここは盗賊達のアジトになっていた場所だ。

なのになぜ人が暮らした形跡がない?


それに俺が制圧した時にも犯しな点がいくつもあった


まずはアジトに攻め入った時、、、、

盗賊達の反応が犯しかった、

なぜ盗賊全員とも武器を持って臨戦態勢で待ち伏せしていた。

普通に考えると騎士団の情報が漏れたいたのだと思うが、、、

一体何処から仕入れたんだ?


しかも事前に騎士団が攻め入る事を知っていたら、

なぜに迎え撃ちにしようとした?


相手の物言いからして俺の正体はバレていた、にも関わらずに逃げる選択をしなかったのはなぜ?

しかも、相手はあまり抵抗の意思も見せずに呆気なく捕らえる事ができた。

まるで捕まる為に待っていたようにも感じた。


なぜだ?

俺を油断させたかった?


それに、相手には★2セカンド適合者3名もいたのだから、

普通に戦えばアイツらにも勝機があったかもしれないのに、、、


だが奴らの放つ魔法はとても★2と言える程の威力は無い、良くても★3サードレベルだろう、


なぜ手加減した?

俺にわざと捕まったのだろうか?

それともあれが本気だった?


もし、その場合なら事前に行った調査が間違っていたのかもしれない。

がそうなると、もう一つの疑問でもある


事前調査の時と実際に逮捕した盗賊の人数が違っていた、

この二点の調査が間違っていた事になる


まぁ、人はミスをする者だから、このような事態は良くあることだが、

ここまで間違っているのは、、

普通におかしい。


何か引っかかる気がする。


もう一度、洞中内に何か手がかりが無いか探してみる。


辺りを見て違和感はないか、、、無い


床に隠し通路はないか、、、、無い


壁にも何かないか、、、無い


ここまで探して一つたりとも情報が見つからない、、

もう、このまま諦めて帰るかとも思ったが辞めておこう、、


なぜならまだ一ヶ所、調べていない場所があるのだから。


その場所とは、、、


「やはり貯蔵庫を探すしかないか、、」


そう貯蔵庫だ、、


俺が制圧の時にこの洞中に入り、最初に爆発した場所。

ここの捜索がまだ済んでいなかった。


なぜここの捜索を後回しにしたか答えは簡単


俺が爆破した時に油に引火した影響で貯蔵庫内は悲惨な状態になっていた、

出来れば調査をしたくなかった。


他の兵もあまりの酷さに手を付けるのを躊躇っており、捜査は後回しにされていた。


がしかし、ここまで何も見つからないのであれば、貯蔵庫の調査もしなけらばならない、、


自分自身が為出かした事とは言え、、、気が重い、、


俺は貯蔵庫に向かった。

中は予想以上に悲惨んで周りは油だらけになっている、

【食材、木、ガラス、鉄】、様々な物が燃えた匂いが空間いっぱいを漂っている、

正直言って臭い。


この悲惨な状況から良く死人が出なかったと感心した。

俺がやらかした事なんだがな。


布を口に当てたながら油まみれの貯蔵庫内を詮索する。


中は意外広く。50人分の食材は軽く入る程だ。

どんどん奥に進んでいくと不自然にな点に気が付く。


まわりは燃えた跡があるのに一か所だけ変に奇麗な壁を見つける、不思議に思った俺はその壁を手で触る、、、


すると壁をすり抜け中に入る事ができた。

中は隠し部屋になっていた。


魔法の壁グラムパレーかぁ」


魔法の壁グラムパレーそれは魔道具から展開される、魔法で出来た壁で、生き物しか通さない性質を持っており、一般的に運送業で荷崩れを起こさない様に使われている。

この魔壁は基本的に透明だが色の変える事も出来るのでこのように隠し通路に使う事も可能だ。


「ここが隠し部屋か、、、最初から貯蔵庫を調べとけば良かったな。」


中は広く、寝床、炊事場と言ったような場所が複数あり、

人が生活する空間が広がっていた、実際に生活したであろう跡もいくつも見つかった。


各部屋を見渡していくと奥に机が一つあり、

その机を囲む様に椅子が置かれている部屋を発見した。

会議部屋だろうか?


中に入り机の上を見ると複数の紙が散らばっていた。

何かの書類のようだ、、、


集めて確認すると俺は恐怖と焦燥感に駆られた。


その書類に書かれていた内容はこうだ。


―――――――

殺害依頼書


炎色魔法、適性レベル★2セカンド【シンドル、ラインド、ルイベラ】の三名に命ずる。


スカルダ国境付近にある森の中に住む少女

【シエル=ヴァインス】の殺害を依頼する。


成功報酬、3千万ギル


――――――――


単純ながら悪意に満ちた文章だ。

ここに書かれている内容からシエルが命を狙われていることが分かる。


シエルの命が危ない


しかし、盗賊は全員捕まえたのだから心配する必要はないと思うだろうがそれは違う、


ここに書いてある上位適合者の3名の名前と今回捕まえた上位適合者3名の名前が、、、、



【全く違う別人なのだから】


この内容からするとまだ捕らえる事の出来ていない、

盗賊3名がシエルの命を狙っているのだ、、、


急がなければ、、、


俺は血相を変え、マハイルさんの家に向かう為にフェニを呼び、大至急で向かう事にした。


「たのむ、、、頼むから、、、二人とも無事でいてくれ。」



俺の焦る思いが通じたのかフェニの移動速度が音速を超えた、、、






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