★1スキル

(イグナルト視点)

◆3日後


3日前に騎士団兵が盗賊団の手がかりを手に入れたと俺の所に報告しに来てくれた。

報告内容はこうだった。


盗賊団の数は51人で半数以上が魔法の適合者であり、その中で3人が★2セカンドの上位適合者、

拠点としてる場所はマハイルさんの家から5キロ程離れた場所にある洞窟の中だった。


俺は急いで本部に連絡を入れ制圧作戦の計画を組む事にした。まずはマハイルさんの安全を確保しなければならない、制圧作戦には俺も直接洞窟に攻め込む手筈になっている

その間マハイルさんの安全を守る事が出来ないのでライアス総副団長が作戦が終わるまで護衛をしてくれる事になった。


マハイルさんに守ると約束したばかりだったのに他の人に頼ってしまって少し悔しいがこの作戦の成功もマハイルさんを守る事になると思い頑張る気力に変えた。


アジトに攻め込むのは、なぜかまた俺一人になってしまった、

これはセラアさんの仕業で『少しは苦闘して来い』と言ってたようだ。

なぜセアラさんは俺にそんなに苦労させたいのか疑問である。


その為今回の作戦は制圧に俺、後処理に5人の兵ともし制圧に失敗した時の為の援兵にベテラン兵の2人に決定した。


この編成は俺の初任務の時と同じ編成だ。


三日間の準備を経て本日、制圧作戦を実行する時がやってきた。

俺らは14時頃に盗賊達が居るアジトの近くまで来ていた。


「おぉ、盗賊結構いますね。」

「そうだな、報告通りの人数だろうか?」


兵士が報告書と照らし合わせ、盗賊の数を数えていた。

めんどくさい、俺は早くこの依頼を終わらせたいのに、、


俺は報告書と睨み合いしている兵を放置し制圧作戦の決行した


「じゃあ俺、シエルと遊びたいんでさっさと終わらせますね、、」

「・・・お前、この3ヶ月で一体何があった?」


隠れている茂みから飛び出し盗賊の前に平然と立つ、盗賊団が驚いた様子でこちらに気付く、『なんだてめぇー』『何者だ、』『何しに来あがった、、』などとテンプレートの様な発言が飛び交う。


盗賊達にはマニュアルがあるのかと疑いたくなるぐらいみんな同じ事しか言わないな、、

取り合えず魔法を使って一掃する事にした


弾ける炎イグニスボム八連」


俺は5%ぐらい威力の弾ける炎イグニスボムを八個生成した。

相手を戦闘不能に追い込むにはこれぐらいでいい。


魔法を8人の敵にぶつける、ぶつけられた敵は全員爆風で体が吹き飛ばされ洞窟の壁に強く打ち付けられ気絶する。

その音に気が付き洞窟の中から次々と盗賊が現れた、

それはまさにゴキブリのようだった。


「うげ、たくさん出て来たな、、強力な魔法で一層するのもアリだが手加減が面倒だからな、、、よし使、、」


俺はそう決めると魔法を唱える、

この魔法自体には攻撃性は無い、

なぜならただの炎剣を作り出すだけの魔法だからだ


「炎形変化【剣】」


魔法を唱えると俺の左手に片手剣サイズ炎の剣が現れる、

それを握り締め、洞窟から出て来る盗賊を一層する、

この魔法の剣は俺の意思で大きさや形から火力まで思いのまま操る事が出来る、

そんな便利な魔剣と地獄の様な訓練で身に付いた自身の剣術で相手をなぎ倒していく。


(正面から12人固まって襲い掛かって来る、都合がいい、形態変化)


魔力を込め炎剣の大きさを5倍以上の大きさにする、この大きさの剣なら12人など簡単に切れる。

残り30人、、、、


洞窟の中に入ると中は少し広く道が二つに分かれてる。

一つは先が見えない長い道、もう一つは貯蔵庫に続く短い道、二つの道の境目で止まる、


「どうするか、先に奥に進むか、、しかし貯蔵庫にも何人か隠れてるはずだ、、、、よし爆発しよう。」


俺は地面に手を添える


弾ける炎イグニスボム任意放出」


手を添えた地面に魔方陣を出し攻撃したい貯蔵庫の中心にも魔方陣を出す。その魔方陣から凝縮した炎球が飛び出す、

その炎球はシャボン玉のようにぷかぷか上昇する。


この魔法は半径100m以内なら好きな場所に弾ける炎イグニスボムを放出する魔法だ。

ここまでしたらやる事はただ一つ


「・・・・弾けろ」


言葉と共に炎球が爆発する。

貯蔵庫に油が入ってたのか予想より少し爆発がした


「やりすぎた、、、死んでないよな」


あとで兵から聞いたがここには8人全員、命に別状はないようだ、、よかった

残り22人、、、


もう一つの道を進むと道の先から14人ぐらいが襲い掛かって来た。

まとめて掛かってくれると楽に倒せるのでありがたい、この洞窟の広さならこの魔法は使えるだろうな。

俺は少し本気を出す事にした。


襲い掛かって来る盗賊達の頭上に炎で出来た雲を作る、


降り注ぐ炎雨イグレイン


頭上に出来た雲から火の雨を降らす。

「安心しろ、死なないように火力は落とした、、まぁ大やけどはするがな、、、」

残り8人、、、


道を進み続けるとさらに広い空間に出る行き止まり様だ

残りの盗賊が集まっていた。


5人が一斉に剣で襲い掛かって来た。

前から2人が左右から俺を挟む様に切りかかって来たのでジャンプでかわした。

そのまま二人の頭に向かいキックを食らわす。

残り6人


今度は三人同時に襲い掛かって来た。

同時に敵の刃が牙を剥く、

そのを自分の持っていた炎剣で受け止める。

相手は俺を切ろうと剣に力を入れる、

さすがに3人係では力負けしてしまうが払い除けて一人一人処理するのも面倒くさい。


俺は考える、そして一つの答えにたどり着く

そうだ、武器を使えなくしよう


「火力上昇、6000度」


炎剣に魔力を込め火力を上昇させ、相手の剣を溶かすように切る。

普通は1500度で解ける剣を4倍の6000度で切ったので相手の剣は一瞬で使えなくなった。

武器を失った盗賊は外へと逃げていく。


(あぁ、逃げたか、、まぁ外の兵が捕らえるだろう。)

残りの3人、、、


「よく一人でここまで壊滅できたもんだ、、褒めてやる。」


一人の盗賊が俺に話掛ける、、ラスボスを気取りたいのだろうか?


「お前らは、弱すぎて褒めれないがな、、」

「ふ、、減らず口も叩けるのは今のうちだ、お前が伝説の兵士イグナルトだという事は分かっている。」

「ちょっとまて、その変なあだ名なんで知ってるんだ?」

「なに言ってる、一人で300人の盗賊団を壊滅させた兵士の噂ならもう全世界に知られてるぞ、、」


ウソだろ、、全世界に!?

俺がシエルと楽しく遊んでる3ヶ月の間に

世界どうなってんだよぉぉ

暇かよぉぉ、、、


「お前が炎色魔法の★1ファーストだとしても俺ら★2セカンド、3人相手に平然といられるかな?」

「「「、、、弾ける炎イグニスボム」」」


三人は一斉に魔法をこちらに向かい放つ。


俺は驚愕した。

事前に★2セカンドが3人いると聞いていた

相手が放つ弾ける炎イグニスボムの魔力、火力、速度、、

全てがまさかこんな、、、


こんなにも、、、弱いなんて。


俺は手を前にかざし飛んでくる炎球を止める


「ファーストスキル


ーーーーーー

炎色魔法 ★1ファースト限定スキル

【炎の独裁者】

ーーーーーー


【炎の独裁者】は炎色魔法★1《ファースト》限定スキルで魔法や自然界など関係なく、

ありとあらゆる様々な炎を操る事が出来る能力だ。


「この火片、お前らに返すよ」


相手の炎球をゆっくりと相手の方へ返す。

本当にシャボン玉の様にゆっくりと揺れながら着実にすすむ。

相手の今の状況に驚いているのか動かない。


炎球はそれぞれの主の元の目の前で止まる

ここで俺がやる事は一つだった。


「着火」


爆音が洞窟内に響き渡す


残り0人、、、制圧完了


――――――

――――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る