最強種 ソルズガルダ

【イグナルト視点】


シエルを優しく抱きしめる、恐怖から解放され安心したのか泣き始めた、無理もないまだ6歳の女の子なんだ、、

俺はこんな幼い子を危険な目に合わせたのかと思うと自分に対して怒りが込み上がる、


「もう大丈夫、怖い思いさせてごめんな、、、」

「ううん、お父さんが守ってくれるって信じてたから、全然怖くなかったよ、、」


涙を浮かべながら俺に笑顔を見せる

がその笑顔はいつもの無邪気な笑顔とは違い【大丈夫だよ、、安心して】と言いたいような俺の事を気遣う笑顔だと気付く、

どうしてこんな怖い思いをして俺の事を気遣うんだよ、、、

自分の不甲斐なさとシエルのやさしさに俺は泣きそうになった、


「ごめん、、本当にごめん、、」

「おとうさん、、泣かな、痛っ」


俺の涙を拭おうとシエルは手を動かすが急に痛がり手を押さえる、シエルの押さえる手を見ると赤黒く腫れあがりアザのようになっていた、そのアザを見て驚愕する、


「シ、シエル、、その手、、、どうして、、」

「あはは、、、」


シエルは俺から目をそらす

俺に責任を感じさせない為だろうか訳を話してくれなかった、この子はどこまで優しんだ、俺はいつもこの子の優しさに甘えてしまう、その結果が今回の事件を起こしたんだ、、、


「お父さんに言ったら、盗賊の人たち殺されちゃうしなぁ、、はわっ」


シエルを力強く抱きしめる、直前にシエルが何かを言っていた気がしたが、たぶん【盗賊の人が私の可愛い手を痛めつけたんだよ、殺して♥】と言ったんだろう、、、、


シエルを抱きしめながら盗賊達を睨みつける、こいつら全員ただでは済ませない、俺の怒りを感じたのか盗賊達が酷く怯えた、

ここまで怯えるのは俺だけの力ではなかったと思う、隣で立ってる大きな魔鳥、使い魔フェニックスの威圧もあっただろう。


フェニックスは俺の目を見つめて何かを言いたげだった

あぁ、、、

分かってるよフェニックス、、、

お前も怒ってるんだな、、、

シエルとフェニックスは仲が良く友達の様な関係だった、友達が傷つけられたら怒る、それが人間でも魔獣でも同じことだ


「フェニックス半分だ、半分はお前にくれてやる、10秒で倒せ、」


そのセリフを聞くと甲高い威嚇交じりの鳴き声と共に敵に向かい羽ばたく、目にも止まらない速さだった、壁や天井を上手に使い館内を縦横無尽に飛び回り、相手に突進攻撃を続ける、あまりの速さと不規則な攻撃に敵は成す術もなく倒れ瞬く間に敵を倒す、15人倒すのにかかった時間は6秒だった


「おい、あいつの使役してる使い魔って、最強種じゃないか?」


ひとりの盗賊が呟く

ーーーーーーーーーーーーーーー

5大最強種の一種

不死の魔鳥 ソルドガルダ

(別名 音無き狩人)

ーーーーーーーーーーーーーーー


これが俺が使役する使い魔のフェニックス、全長は150㎝ほどもあり、飛ぶ速度は時速300を超え、爪やくちばしは鉄をも貫く強度を持つ、最強種にふさわしい実力を持つ


「なんで、お前が伝説級の魔物を使役してるんだよぉぉ」


仕事を終えフェニックスがこちらに戻ってくる、満足げな表情をしていた、

よくやったフェニックス、あとは俺に任せろ、


ここからは俺の番だ、今まで貯め続けた怒りがもう爆発寸前でいつ破裂してもおかしくない程であった

がここで怒りのまま暴れてしまえばシエルも巻き込んでしまう、怒りを抑えシエルを一度安全な外へ連れ出す。


「フェニックス、シエルを外に連れ出せ、」


俺の指示に返事するように鳴くとシエルの服をクチバシで咥え館の外に飛び去った、外に出る寸前にシエルが【お父さん死なせちゃだめだよ】と言っていた、

あぁ、分かってるよ、、、

殺すなんてそんな優しい事はしないさ、

死ぬ方がマシだと思う苦痛を奴らに与えてやる


ここからは始まるのは一方的な暴力さっきまで自分より弱い子供を虐めていたんだ、そんな奴らに慈悲などはやらん


シエルを守れなかった怒り、、、、

シエルを傷つけてしまった怒り、、、、

シエルにあんな笑顔をさせてしまった怒り、、、

全て自分への怒りだった、


さぁ八つ当たりをはじめよう、、、


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