誘拐
【シエル視点】
「やったー、かわいい花冠ができた」
私とアマンダお姉ちゃんは互いに花冠を作って交換することにした、私はアマンダお姉ちゃんにあげる白い花で出来た真っ白な花冠が出来た、我ながら素晴らしい出来だと感心した
私は完成した花冠をアマンダお姉ちゃんに見せてあげようと思った
が時に事件が起きた。
「アマンダお姉ちゃん喜ぶだろうな、、、あ、アマンダおねぇ、、、、」
私がアマンダお姉ちゃんを呼ぼうと大声を出した瞬間の事だった、私の背後にあった森の茂みから丸太のような太い腕が伸びてきた、私はそれに気付けなかった、そのせいで私は何もする事もできないまま伸びてきた腕に掴まれてしまった
一瞬の出来事で悲鳴をあげる事も忘れ、茂みの置くへと引きずり込まれてる、茂みの奥にはさっき私たちの事を襲ってきた盗賊2人の姿があった
(え、なにが起きたの、、、)
私は何が起きたか理解で着なかった、嫌な予感が脳裏に浮かぶその瞬間背筋に冷たい物が走った、、、
私は盗賊の1人に口をふさがれてしまい、助けを呼ぶ事も出来なかった、叫ぶ事が出来たら近くにいるアマンダお姉ちゃんに助けを呼ぶ事もできるのに、口をふさがれてしまったらそれもできない
「しー、嬢ちゃん、いい子だから大人しくしときな」
(なんで、さっきの盗賊のおじさん達がここにいるの、、)
「大人しくしとけば、痛い思いをしないで済むからな、、」
怖い、、、、
私は恐怖を感じつつもここから逃げる為に腕を振り解こうとして暴れるが腕を振り解く事が出来なかった、それは当然だ相手は私より倍以上大きい大人だ、しかも2人係だった
そんな2人の手を振り解き逃げる事は非力な私には無理だ、相手からしたらアリを捕まえるような物だろう、自分の力の無さに嫌気がした、、、、
でも私は諦めなかった、、、諦めたくなかった
一生懸命に体をよじらせ、盗賊の人たちの拘束を解こうと頑張る、手、足、体、動かせる所すべてを動かし暴れた、暴れすぎて左足に履いていたサンダルも脱げ落ちてしまったが気にせずに暴れ続ける、
「おいコラ、暴れるな」
「どうしますか、このままだと誘拐するのも一苦労ですぜ」
(やっぱり、誘拐するつもりだ、この人たち)
外れてほしかった、嫌な予感が的中する
この世界では白い髪と青い瞳は美の象徴として扱われていた、しかもその2つとも持ってる人が少なく物凄く珍しいらしい、一つ持ってるだけでも高く売れると言うのにその両方を持ってる私が売られてしまえばその価値は測り知れない10年は遊んで暮らせる大金は余裕で入ってくる程だ、
つまり盗賊からしたら私の事が金塊が服を着て歩いてるように見えるのだろう。
その為お父さんは盗賊などに私の姿を見られる事を嫌がっていた、だからさっきの盗賊との戦闘の時にお父さんは私に隠れるように指示したのだ、私はお父さんの【隠れろの意味】を理解していたの、、、、理解していたのに、、、
この事件が起きてしまったのは私の軽率な行動が招いた事だ自業自得と言えばそうなる
もし私がお父さんの言う通り隠れていたら
もし私が盗賊に見られた事をお父さんに伝えていたら
もし私がアマンダお姉ちゃんのすぐ近くにいたらこんな事態を招かなかったのに
そんな事考えても仕方がない今は逃げる事に専念しないと
「クソ、ラチがあかねぇ、、おい睡眠薬を取り出せ」
盗賊の人たちの予想以上に私が暴れたのだろうか、しびれをきらし私を眠らせようともう一人が薬を取り出し、布にその薬品を染み込ませた、二人の会話からして睡眠薬だという事が分かった、もしあれを使われたら私は終わりだ、そうなる前に何とかしないと私はさっきより暴れら、特に首を振って私の口を塞いでる手を振り解こうとした、
「おい、早くしろ、」
私の事を取り押さえている盗賊の人がもう一人の盗賊の人を急かしていた、その時注意が私から逸れたその瞬間、口を押さえている手が緩んだ
私はこの絶好のチャンスを見逃さなかった、すかさず口を押えていた手を払い除け、助けを呼んだ
「たすけぇ、、、、」
私はたすけての【け】を言い終わる前にもう一人の盗賊が睡眠薬が染み込んだ布を私の口に押し付けてきた、必死に助けを呼んでる時に不意打ちのようになってしまい、睡眠薬を勢いよく吸い込んでしまった、体内にフルーツの様な甘い香り香りが広がる
睡眠薬を吸い込んだ瞬間に今まで感じた事の無いような眠気に襲われた、怖かった、、、、
どれだけ頑張ろうが意識を保つ事は不可能で脳から眠れと命令される、体がどれだけ抗おうが脳の指示には逆らえず体の力が徐々に失われ、握り締めていた私の作った花冠も地面に落ち私の意識を静かに落ちていくのを感じた
薄れる意識の中、懸命に助けを呼びながら眠りに付いた。
「たすけて、、おと、さ、、、、ん、、、、」
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