第2話 恋人への疑惑

【山神あきらの視点】


授業中。教授の言葉が頭に入ってこない。頭ではナツミのことばかり考えてしまう。就活の面談も今日あるのに、、

でも終わったらナツミと電話することをモチベに頑張った。

そして約束の時間がきた。

「もしもーし!」

「もしもし!?聞こえる?」

「うん!聞こえてる!どうだった?今日!」

探り探り会話を探してる感じも付き合いたて感があって凄く良い。そんなこんなで雑談しつつ1時間が経過した頃、ナツミは改まって話しだした。

「あのさ、話しておきたいことがあって」

「え。何!?」

(え、もしかして別れ話!?やっぱ恋人として見れなかったとか?)

少しでもそんなことを思ってしまう時点で自分の自信の無さが露呈していた。


「あのね、付き合った時も言ったと思うけど私、あきらの事、すっごく好きで付き合ったわけじゃないの。もちろん好きだよ。前付き合ってた彼氏に4股されたって話したじゃん?だから少し恋愛に対してトラウマがあって… あきらと話してるの楽しいし今後カップルとしても上手く行くかなって思ったから付き合ったのね。だから本当に徐々に恋人っぽいことしていければいいなって思う。この前、手を繋げたのは嬉しかったよ。あんな感じでちょっとずつ関係を築いていきたいな!改めてだけど笑」


「そういうことね!もちろんだよ!徐々にカップルっほいことしていこうね!」


「嬉しい!私、大好きって感じの恋愛だと気を張っちゃって自分らしくいられなくなっちゃうから緩くていいの助かる!これからもよろしくね!」


そんな感じで会話が終わった。今のところ良い関係が築けているとは思うが自己肯定感の低い俺はここから自己反省会が始まる。


(俺のこと大好きってわけじゃないってことはこれから好きって思ってもらえなければやっぱり友達としか見れないって振られる可能性もあるって事だよな?だから早く恋人っぽくリードしたり、キスしたりなどの身体的接触も増やしていかないといけない、、でも俺だけ突っ走り過ぎちゃうと向こうと温度差できちゃって振られる原因にもなるしな…

恋愛むずくね!? まあ明日、バイト先の先輩に相談するか)


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【松本ナツミの視点】

ナツミはあきらとの電話が終わり、リビングへ行き、兄と会話していた。

「今の電話、彼氏?」

「うん!」

「どんな人?」

兄に求められ、ナツミは彼氏の写真を見せた。

「へぇ〜。今までの彼氏とは系統違うね。タイプ変わったの?」

「ううん。今まで見た目だけドストライクな人と付き合って失敗してきたからさ。今の彼は見た目は全然タイプじゃないし好きって気持ちも凄く強いわけじゃないけど話してて楽しいし浮気とかしないだろうし、いつか絶対好きになるだろうなって。そんな感じがするんだよね。」


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【山神あきらの視点】

翌日。バイトの休憩中、あきらは先輩にナツミとのことを相談していた。そこに後輩のカノンが休憩室に来た。

「え、あきらさん、彼女いたんですね。」

「うん!できたの、つい最近だけどね」

「言ってくださいよ〜。祝福したのに」

「ごめんごめん。言う機会逃しちゃってさ」

「おめでとうございます〜」

そんな会話を交わしながらあきらは思った。


(あれ、言うタイミングいくらでもあったはずなのに何で俺、言わなかったんだろう?)

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