叔母ちゃまは月光カレン(月光カレンと聖マリオ22)
せとかぜ染鞠
叔母ちゃまは月光カレン
叔母ちゃまと慕われる俺さまには3分以内になさねばならぬことがある。
三條の走る速度とバッファローたちのそれと距離との関係からタイムリミットを算出した――3分以内に対処する必要がある。三條を抱えてバッファローの群れを避けてみるか。だが待て――それは所詮姑息な手段だ。三條を救出できても暴走するバッファローたちを制止しない限り犠牲者の出るのは必至だ。時間が浪費されていく。もう動くしかない!
天高く飛翔した――
群れの先頭を走る一際身体の大きなバッファローの背上に着地するなり赤褐色の毛皮に足を滑らせながら両内股で隆々と盛りあがる肉瘤を挟みつけ,同時にハンドルに適した2本の角を握りしめる。左だ――左へ行こう――
バッファローの群れが急旋回して進行方向をかえる。両腕を水平にのばし胸をひらけて立ちはだかる三條の鼻先を,バッファローたちの毛筋が擦れて過ぎた。チケット販売窓口の手前で群れはゆっくり静止する。俺は群れのリーダーを愛撫しつつ別れを告げて,ほかのバッファローたちにもウインクしてみせる――悪いが惚れるなよ。
ジャスト3分,任務完了。
バッファローたちが名残惜しげな声を漏らすなか気絶した三條を肩に担ぎあげる。
やっぱりあの人,月光カレンよ! 月光カレンが助けてくれたわ!――大衆の歓声を浴びながらオサラバする。
動物触れあい広場のテント陰で男たちがライフル銃を片づけている。
「ヘマしやがって!――」テーマパーク所有者のIT企業社長
殺伐とした雰囲気だった。
叔母ちゃまは月光カレン(月光カレンと聖マリオ22) せとかぜ染鞠 @55216rh32275
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます