チートな転生第2王妃様は孤児院の院長先生
紅 蓮也
第1話 私がリッシュランド王国の第2王太子妃となるまで①
私はリッシュランド王国の第2王妃で名はミリス、年齢は25歳です。
夫であるジュラルディン国王陛下をはじめとした王国の一部重鎮しかご存知ではありませんが私、ここではない異世界の地球の日本という島国で生きていた記憶を持って生まれた異世界転生者なのです。
リッシュランド王国のシュナイゼル辺境伯家の長女として転生し、後継者には兄である長男のミッシェル、長男に何かあった時のスペアとして弟であるミカエルがいる。
私を溺愛する家族は多大に心配したりするが私に自由に好きなことをしていいと言ってくれた為、冒険者になった。
辺境伯家の血統だけでなく転生のチート特典のお陰も多いあり18歳で最短最年少でSランク冒険者になれました。
4年前にのちの夫である現国王陛下、当時の王太子殿下でありその妃の王太子妃ナージャ殿下が全身に黒い斑点ができ倒れられた。
治療が続けられていたが倒れてから半年経った頃に意識不明となった。
国内最高の技術を持つと言われている宮廷医官長のタリスマン様が診療したが原因不明で治せず、病ではないかもしれないのではということになった。
創造神を信仰の対象としている聖ナラバハム教の総本山であるナラバハム神聖王国から派遣されリッシュランド王国にある神殿の神殿長をされていて、高い治癒魔法が使え、聖魔法のスペシャリストと言われているイナトリス神殿長でも治療も解呪もできませんでした。
そしてイナトリス神殿長は、王家の方々にある依頼で知り合った聖女の称号を持ちイナトリスが自分より聖魔法の腕が上だと思っている私に依頼をしてみたらどうかと提案されたらしい。
ナージャ殿下が意識不明になって半年が経った頃たまたま王都に来ていた私は王家からの依頼を受けた。
ナージャ殿下にかけられた呪いを無事に解呪でき、ナージャ殿下は体中の黒い斑点も消え、意識不明で半年、呪われてから1年も寝込んでいたのが嘘のように元気になられた。
解呪出来なければナージャ殿下はあと1か月で亡くなっていた。
解呪の翌日、自分の娘も呪いをかけられたのかもしれないから解呪して欲しいとホーロリン伯爵家当主から依頼されたが私は令嬢から話を聞きたいとだけ答えた。
私はその令嬢を解呪して助ける事が出来るが令嬢から話を聞くだけで解呪の依頼を受ける気は無かった。
なぜ受ける気がないのか。答えは簡単だ。
解呪が成功してナージャ殿下が元気になられた翌日にホーロリン伯爵家の令嬢がナージャ殿下と同じ症状が現れた。
その令嬢以外に同じような症状が現れた者は居なかった。
鑑定するつもりだが呪詛返し。それはつまりその令嬢がナージャ殿下に呪いをかけた本人ということだ。
3日後にホーロリン伯爵邸に向かい、伯爵家の使用人に着いて行くと令嬢の部屋に案内された。
令嬢の部屋には伯爵と伯爵夫人も居られたので伯爵と伯爵夫人には席を外してもらった。
私はその令嬢と二人きりになり、令嬢を鑑定してから正直に話してくれたら私が理由に納得したら解呪してあげてもいいと言った。
するとイライザ嬢は、助かると思ったのか。
呪詛返しによりナージャ殿下が受けた呪いが何倍にもなって返ってくる。
かなり辛そうな顔をしながらも令嬢は笑った。
そして令嬢は話し始めた。
イライザ嬢曰く、「ここは自分が作った乙女ゲームの世界で、自分はホーロリン伯爵家の令嬢として転生した。
自分はヒロインだから王太子と結婚して王太子妃にならなきゃいけないんだ。あの女は悪役令嬢なんだから死ななきゃいけないんだ」などと言ってきた。
このイライザ嬢も私と同じ転生者らしい。
私は異世界モノの小説が好きでよく読んでいたが乙女ゲームはプレイしたことはない。
イライザ嬢曰くここはイライザ嬢が前世で作った乙女ゲームの世界と同じ世界らしく、イライザ嬢がヒロインでナージャ殿下が悪役令嬢なのに既にナージャ殿下が王太子妃になっていた。
乙女ゲームのシナリオと違うからナージャ殿下に呪いをかけて死んでもらうことにしたらしい。
「シナリオと違うなら貴女の乙女ゲームとは違うのではないのですか?」
「世界観も国名も人物の容姿も立場も名前も同じなんだから乙女ゲームの世界に決まっている。
この平民の冒険者風情が!!これだから学のない平民はダメなのよ」
世界観も国名も人物の容姿も立場も名前も同じでもシナリオ通りでないのなら別の世界でしょう。
似た世界だとしても私達もイライザ嬢も乙女ゲームのキャラクターではなく、この世界を生きる1人の人間なのだからシナリオ通りに令嬢の思い通りになるわけがないのだ。
そして私はホーロリン伯爵だけを呼んでもらい伯爵と自分勝手なイライザ嬢に依頼は断ると告げた。
「!!」
「ふざけるな。平民風情が断るなど許されぬ。
それでも断るというなら殺すぞ。
平民を殺したとしても貴族は許されるのだからな」
イライザ嬢は私を睨み、伯爵は激怒し私を殺すとまで言ってきた。
シュナイゼル辺境伯家から廃籍されたわけでもなく、冒険者登録時に姓を書かなかっただけで私は辺境伯家の令嬢だ。
それに貴族が平民を殺しても許されるとかいうふざけた法はこの世界にない。
クズ貴族が殺人を揉み消したり、しようとすることはあるけど……
「バタン!!」
部屋の外が騒がしいと思っていると扉が乱暴に開かれ騎士と共に王太子殿下が部屋に入ってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます