タスク消化7
あらかた大きいものは片づけた。終わりのメドがついた。
どれだけ状況が地獄であろうと、この瞬間はそれなりに楽しくなる。
補正ではない本心からの楽しさだ。
俺はきっとタスク消化に向いているのだろう。
一六時間の労働のあいだ、三分間で一五〇のタスクが繰り返される。
ラウンドは三二〇まで続き、消化するタスク数は四八〇〇〇にもなる。これが無休で延々と続く。
残りの八時間は労働時間に比べればタスクの数は減るが、それでも不意打ちのように振られる。きちんと期限が切られているものは、
効率化し、改善を繰り返す。終わりのない作業を繰り返す。
疑問を抱くことなんて許されていない。抱いた瞬間にハサミだ。
繰り返すことで成長する。人間は経験を積むことで成長する。
どこへ。
どこへ成長するのだろう。
成長して何になるというのか。
より多くのタスクを消化することが出来るようになる。それだけだ。
それ以上何を求めるというのか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます