環境5


 人間には三大欲求というものが備わっているが、二二世紀の技術はそれを嗜好品に変えることに成功している。


 脳には大脳辺縁系という部位があり、そこで上記欲求をコントロールしているわけだが、情報のやり取りを行う神経回路を刺激することで、擬似的に充足感を得ることができることが判明したのだ。

 どれだけ徹夜しても眠気を感じず、性欲とも食欲ともおさらばできる。


 細胞の劣化が激しくなる欠点はあるものの、危険なほど悪化している場所は特定できるので、ガイドに従ってピンポイントで取り替えればよい。

 最初こそは躊躇ったものの、何度も変えているうち、気にならなくなった。

 むしろ、時代が進むほどスペックの高い細胞が手に入るので快適になっていくように感じられる。


 この仕組みにより、飛躍的な速度で作業をこなすことが出来るようになっている。

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