第7話

 リアムとアイザックは互いに顔を見合わせた。


 謎の機体は大きく旋回した後飛行場の滑走路を目指して今度はゆっくり高度も速度も落としていく。その低空飛行を保ったままなんとその場でホバリングするかのように停止し、ゆっくり降下した。戦闘機の足は出ていないが一メートルほど謎の戦闘機が浮いていた。


 滑走いらずの実にていねいな着陸。 


「リアム」


「あぁいくぞアイザック」


 リアムたちは飛行機へ早足で向かう。武装した同胞たちが見たことのない戦闘機を囲み銃を構えた。


「リアム、まさかと思ったがこいつは」


 現場に着いたリアムは少し返答に迷った。


 機体は完全に止まり怪しげな音がやんだ。


 体格のいい大柄の男がハッチをあけて外に出てきた。緊張が走る。男はすぐに両手をあげ抵抗しないと首をふった。男は黒色のつなぎに足には軍用ブーツ羽織ったジャケットには左腕に東側の空軍シンボル、ヤタガラスが刺繍された徽章があった。襟についた星の数は階級を示している。リアムたちが到着したときに勇気ある一等兵がパイロットに質問を浴びせた。


 侵攻か? 違う。


 宣戦布告か? そうじゃない。


 男は不敵な笑みを浮かべる。


「亡命だ。手土産は連邦の国家機密魔導兵器イーグル21だ」


 パイロットは飛行帽とゴーグルをはずした。


 

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