第8話

 年齢はリアムとアイザックと同じか少し上くらいで、右頬に傷があった。


 目は歴戦の覇者のように据わっていて瞳は鮮やかな蒼だった。


 それから短髪だが綺麗な金色の髪をしていた。


「おいおい……まじかよそんなことがありえるのか」


 リアムの脇でアイザックがつぶやいた。


 ざわついた同胞たちを尻目に男は魔導兵器から降りるとそのまま歩き出した。堂々としたたたずまいに銃を構えた同胞たちが数歩引いた。


 男はリアムの前で止まった。ほんの少しだけ、リアムより背が高い。


「どうやらあなたがこの場で一番階級が上ですね。私は連邦のヴィンズ・フランコ大佐。一級魔術師です」


「大佐。詳しい話は中に入ってしましょう。コーヒーでも飲みながらゆっくりとね」


 ヴィンズ・フランコは笑顔で頷いた。


「それは楽しみです」


 リアムはまっすぐに彼を見据えた。


 

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