第66話 第二陣が来るまで残り2日
:イオリさん、少しお時間よろしいでしょうか、出来ればセナさんも一緒に
:いいですよ〜、今隣にいるので連れていきます
普段全くと言っていいほど使われていない俺のフレンドメッセージ機能に通知が来た。
送り主はネオンさんでなにやら用事があるらしい。
「誰?」
「パパ、浮気ですか?」
「違う違うネオンさんだよ」
「あ、ネオンさんか、なんの用だったの?」
「2人で来てくれってさ」
「よぉし、行こっか〜」
アヤはヒヤヒヤすることをよく言う、浮気なんてした日にはきっと俺の命はないだろう。
何せ、現実ではセナの方が圧倒的に強いのだ。
俺たちはイニティムに転移すると鍛冶屋に向かって歩き始める。
アヤが珍しいのかちょくちょく視線を向けられるが、アヤはそんなの気にしないといった感じなので特に気にすることなく鍛冶屋までたどり着けた。
「おぉ、ひさしぶりじゃの」
「ネオンさんに呼ばれて会いに来ました」
「きっと驚くぞい、わしもあまりの習得の速さにびっくりしておる」
ここまでべた褒めされる鍛冶の技術か、目をつけておいて良かったのかもしれない。
「お2人とも! お元気でしたか!! そちらは……お子さんですか?」
「ふふ、私たちの娘なんです〜」
アヤを抱き抱えてネオンに見せびらかすセナ。
その姿はまるで威嚇した猫のように見えてしまって吹き出しそうになった。
「ご結婚されてたんですね!」
「あ〜、いや、まだしてないかな、、、色々説明が難しいから受け入れてくれ」
「わ、分かりました」
アヤの存在を説明するにはここであまり使いたくない言葉が出てしまうかもしれないので、何とか察してもらうことにした。
「じゃあ、本題に入らせてもらいますね?」
「頼む」「了解〜」
「師匠の元で修行させてもらった結果、刀と弓に関しては他の開拓者鍛冶師に絶対負けない自信があります」
「「おぉ」」
随分と強気に出たものである、開拓者つまりプレイヤーには廃人がいてそいつらと渡り合うのは厳しいのだ。
もちろん勝てないわけじゃないのがこの会社のゲームのいい所である。
「あながち間違っていないのがこやつの怖いところじゃの、木材加工はわしの専門でなくての、知り合いにほり投げたら2日で帰ってきおった、職人としてこういう言葉を使うのは悔しいが才能じゃよ」
「ありがとうございます! 師匠!」
「まあ、うちの鍛冶場は貸し出しておるから今度から武器の以来はこやつに頼むといい」
どうやら本当に凄いらしいネオンさん。
自信満々といった顔をしているし、作業着が異様に似合っているのが職人感があって頼もしい。
「これからは依頼してくれればなんでも作っちゃいますよ〜!!」
「頼もしいな、頼らせてもらうよ」
「やったぁ! そろそろ新しい弓が欲しかったんだ!」
「ふっふっふっ、私に任せてくださいっ! 素材さえあれば作れますよっ!」
ネオンさんに提示された装備の素材は順調に集まってはいるが何個かまだ出会えていない敵がいるのでもう少し先になりそうだ。
「言われてた素材はまだなので集まったらまた来ますね?」
「はいっ! もっと腕を上げておきますね?」
「「頼もしい」」
「そ、そんな照れますよ」
MMOの生産職というのは重要で上位を目指すならお抱えの鍛冶師がいないと色々面倒なトラブルが起きるのだ。
「ではまた〜」
ネオンさんが鍛冶屋から出るまで見送りをしてくれた。
根が明るい、いい人なのになんでこうも一癖二癖あるのだろうか?
「さて、これからどうする?」
「あ〜、どうしようか……」
全く予定がないのだ、第2陣が来る前ということでクラン機能が開放されると予想している人が多く、かなりの上位プレイヤーがイニティムに戻る準備をしているそうだ。
「パパ、ママ、あれ食べたい」
「お、いいね〜」
「お兄さん、串焼き6つお願いします」
「お、家族でお出かけか? いいじゃねぇか、楽しんでな」
やはり3人で歩いていると夫婦だと間違われることが多い、その度、セナがホクホクしてとてもいい笑顔なので悪い気分はしない。
「んふふ〜、アヤちゃんほっぺにソース付いてるよ」
「え、どこ?」
「可愛いっ、今取ってあげるからね」
仲良さげにしている2人をゆっくり眺めているのも悪くない。
しかし、そろそろ何かイベントでも起こらないといよいよやることがなくなっちまうな……
まあ、これは第2陣が来る時に期待しておこう、あと2日で装備を揃えてしまいたい。
そこそこ楽しんだら、狩りを提案するか……
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
コロナとインフルA両方かかった作者です。
もう限界状態で書いてるので面白くなかったらすみません。
まじで気をつけてください。
全身痛いし、喉は死んでるし頭も痛くて熱は40度とかいう人殺せる性能してますよ、あのウイルスども
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます