戦闘狂がVRMMOでかつての仲間と最前線を駆ける！

第58話 朱那再び

「黒連ありがとう」

「氷華ありがとね」

俺たちは再び英雄の遺跡前まで来ていた。

装備も準備も万端、あとはなんどもトライして朱那との戦いに慣れるだけだ。

「行こっか」

「よしっ、勝つぞ」

「うん！」

英雄遺跡に入ると前のような雑魚敵はおらず、直ぐに朱那と出会った大広間に飛ばされた。

「再び私に挑みに来たのですか……」

「今度こそ勝たせてもらう」

「『縮地』」

キィィ

という金属が擦れ合う音が大広間に響く。

「今のを受け流しましたか……」

「『エアロステップ』」

「リスト召喚！」

「この短期間でこれ程までに成長するとは……女神様が遣わしただけの事はあるようですね」

セナが召喚したのは鷹とウルフ、ゴブリンでは肉壁にもならないと判断してできるだけ素早く気を引けるモンスターを召喚してもらう。

「『断頭』」

「っ！」

「これを見切りますか……仕留めるつもりだったのですが」

赤黒いエフェクトを纏った朱那が放った一撃は俺の頭に直撃したはずだったのだが、一切のダメージがなかった。

「クッソっ、決めてになる攻撃が何も無い」

「イオリくん！」

セナの声がする、きっと何か思いついたのだろう。

なら俺がすることは目の前の朱那を釘付けにしてセナに干渉させないこと。

「もう少し、ギアをあげましょうか」

「っ！！」

苛烈になる朱那の攻撃、一撃一撃が確実に俺のHPを奪う威力をしており少しでも気を抜けば一気に殺されてしまいそうな猛攻だ。

「チェンジ！」

「はぁはぁ、、、ふぅー」

「矢の雨？ 鬱陶しいですね『霧払い』」

「時間稼ぎと目くらましようだったんだけどな……」

どういう原理か知らないが光の矢の雨が朱那に降り注ぎ、朱那はそれを刀を一振するだけで全てを吹き飛ばしてしまった。

「っ……」

「決まったッ！」

「小賢しいですね、、、なかなか頭もキレるみたいです」

矢が全て払い除けられたと思っていたら、どこから飛んできたのか分からない矢が朱那の腹部を貫いていた。

「『縮地』 『断頭』」

「きゃっ」

「これも防がれてしまいますか」

「あんたの断頭って技、1部以外にはダメージがないんだろ？」

「よく、分かりましたね」

「あれで気づかないの余程のバカだけだ」

さっき俺が断頭を食らってダメージがなかったのは咄嗟にしゃがもうとして頭に直撃したから。

名前から察するに首以外にダメージが通らないというピーキーなアーツなのだろう。

「そうですね……これで終わりにしましょうか」

「「っ！！」」

イベントとのあの狼から感じたような重圧感がこの遺跡に入って初めて感じた貫かれるような視線が体の動きを強ばらせる。

「朱（あけ）の太刀『黄昏』」

その太刀は俺たちを切り裂いた。

大広間に突如夕日が現れたのではないかという錯覚に陥り、暖かい感覚に体を包まれ、世界がゆっくりと動いて見える。

そして俺たちはこの夕日に包まれて死ぬはずだった。

「大丈夫なはず、だとは思うんですけど……生きてますか？」

「え？」

「あれ？」

「良かった、、、改めて自己紹介からですかね？ 朱那です、2人とゆっくりお話したくて」

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ちょっとまだ朱那の話引っ張ります！

投稿遅れてすみません

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星で救われる命があります(作者だけ)

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