戦闘狂がVRMMOでかつての仲間と最前線を駆ける!

ヤスミ

リリース開始

さようならとまた会いましたね

「これでこのゲームも終わりだな、またな!」

「お疲れ様でした〜、またどこかで〜」

「そうですね、またどこかで」


 2年ほど友人としてこのゲームの最前線を共に走った仲間と最後のお別れを済ませる。

 現状1番強いボスを攻略し、最前線の景色を眺めてこのゲームに別れを告げる。


「みんな、またどこかで会おう!」


「「「はい!(おう!)」」」


 全世界でVRゲームが売り出された。

 勢いは衰えず、どんどん進化していきリアルさを増していった。

 そんな世界にどっぷりハマった俺は中学と高校の半分をゲームに費やしてしまった。


 しかし、VRゲームの危険性を揶揄する記事や報道が多く出され、ゲームに対する規制が厳しくなってしまいこのゲームもついにサービス終了を迎えることになった。


 俺たちの目の前にはゲーム終了のカウントダウンが掲示されている。

 何万人ものプレイヤーが同じ空を眺め、このゲームの終わりを悲しんでいる。


「イオリくん、またどこかで会おうね?絶対だよ?」

「もちろん、セナも忘れるなよ?」

「当たり前じゃん」


『現時点をもちまして、レティア・オンラインのサービスを終了します。』


『2年間、本当にありがとうございました』


 こうして俺の青春は幕を閉じた。


 ゲーム以外にやることがなかった俺は勉強をすることで虚無感を埋めることにした。

 俺がVRの安全性を証明してやると意気込んでいたのだが、数年が経ち俺が大学2年になった頃には安全性は証明されゲームも作り出されるようになった。




「「「「「「かんぱーい!」」」」」」


 飲みの席であんな昔のことを思い出してしまった。

 セナ達は元気にしているのだろうか?

 友達に人数合わせで連れてこられた合コンで俺は昔の思い出に浸っていた。


 それも仕方の無いことなのだ、レティア・オンラインを運営していた会社が新作を発表。

 完売していてもう手に入れることができないと思っていた矢先にこの合コンで上手くやってくれればたまたま買えた新作を譲ってくれるというのだ。


「え〜、そうなんですね!」

「そうなんだよ!すごくね?」

「すごーい、かっこいいと思います!」


 石田と中野はもう狙っている子が決まっているらしく、俺は余った1人をさりげなく仲良くしてればいいらしい。


「あそこは楽しそうな感じですね、長谷川さんには何か趣味とかあったりするんですか?」

「あ〜、ゲームを少し……」


 何やら長谷川さんはソワソワしている。

 実の所、俺も例のブツはもう受け取っているのでお持ち帰りの振りでもして即刻帰りたいレベルなのだ。


「もしかして、セトラ・オンラインを知ってたりします?」

「っ!!」


 ビンゴ!

 それなら話が早い!


「俺もそのゲームをやりたいんです、ここは協力して離脱しませんか?」

「ありですね」

「交渉成立ですね、合わせてください」


 俺は他の4人に分かるように大袈裟なリアクションを取りながら長谷川さんとの距離を詰める。

 ゲームの話を長々と専門用語を交えて話すことでいかにも話が盛り上がっているように見せる。


「石田、中野、すまん、連れて離脱していいか?」

「おう、もちろんだぜ」

「ナイスだ!」

「じゃあな!」




 俺は長谷川さんの手を取るような素振りを見せて店を去る。


「もしかして、レティアをプレイしてたことありました?」

「っ!?、ひゃ、ひゃい!」

「そうなんですか!?俺も結構やってたんですよ、同じ会社ってことでどうしてもやりたくてね」

「分かります、私もこのゲームなら探している人に会える気がするので」

「レティア時代のフレとかですか?俺もこのゲームで探そうかなって感じです」


 レティアの話をさっきしていた時、専門用語に相槌を打てていたのでまさかと思っていたけど本当にやっているとは……


「あ、あの、セトラでフレンド交換しませんか?レティアの知り合いを探してるならもしかしたら情報共有できるかなって」

「いいですね、あのゲームの話をできる人が増えるのは嬉しいのでよろしくお願いします」


 合コンの余りもの同士、何とか話題を見つけることも出来て気まずく無いし普通に仲良くなれそうだ。

 セトラでの初めてのフレが女性で美人さんなんてラッキーだしな〜


「じゃあ、ここで!またセトラ始めたら連絡しますね」

「は、はい!」


 長谷川さんと連絡先を交換してそれぞれ家に帰ることになった。

 セトラがサービス開始されるまでもう3時間しかないのだ。

 俺は急いで帰り、風呂や歯磨きなどを済ませてからVRゲームの機械を頭に装着してロビーのような画面で待機する。


 入れるかどうかは運ゲーらしく、ランダムに抽選されてサーバーに入れられるので早く待機する意味が無いそうだ。

 サーバーは耐え切れるのか心配されていたがアジアなどの大きな括りで分けるのではなく日本などの国単位で分けているためそこまで日本は心配しなくても大丈夫だそうだ。


「ふぅ、あれから4年か、あいつらに会えるといいな」





 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 VR物をずっと書きたかったんです

 VR物を最初の作品にしようと思ってたんですが色々あってやっと書き始めています。


 変更!

 ヒロインの喋り方を敬語からタメ語に!

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