書き散らし
万吉8
第1話 コスパというもの
コスパというものがとやかく言われ始めてどの位経つのかと言うと、既に10年くらいは言われているように思います。
コスパコスパと言っているうちに、更にコスパの良いものは何かと考えなければならないようになっているのは、皮肉としか言えないでしょう。
このため、私としてはコスパというのは程々に付き合う程度で丁度いいものだと考えています。
コスパが気になってしまう場面の一つとして、外食があります。
できれば安くて原価率の良いものを食べたい。そんな事を私は考えていました。
なので、ドリンクなんてもっての外、水で充分! というのが私のスタンスでした。
しかし、コロナ禍での飲食店の苦境と、転職して前より経済的なゆとりができたことがあって、多少変わりました。
『コスパがいいって、店側の利益が少ないってことじゃね?』と。
利益が少ない価格設定をしたのは、店側なので、こちらが心配する義理はない(自己責任というヤツですね)のですが、そんな事を言い始めた2000年代中頃から嫌な世の中になったのもまた事実というのが私の認識。
だったら、それに付き合うのは滑稽に思えます。
という訳で、外食するときに注文するようになったのがコーヒー。
スーパーで売っている豆で500g400円前後。コーヒー専門店なら、500g3000〜5000円といったところでしょうか?
はっきり言って、店で飲むより、コーヒー専門店の豆を買って飲む方が安かったりします。
つまり、飲食店でコーヒーを飲むのはコスパが悪い。
『そんな事考えるなら飲むなよ』
という話なのですが、私が思うのは、
『客にとってコスパが悪いのは、店にとっての利益』ということ。
店に対して感謝の気持ちを表すため皿をまとめておくのが良いという方がいます。私としては客が店の人の仕事をする必要は無いと考えているので、皿を脇に寄せる以上のことはしません。
感謝の気持ちを示したいなら、数秒の手間を省いてあげるよりも、店の利益なるコスパの悪いものを注文する方がいいでしょう。
そんな事を思いながら、今日の仕事終わりに寄った飲食店で食後のコーヒーを飲んでいました。
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