第8話 作者は影を飲む

 ああー。こんな感情久しぶり


たまたまSNSをみていて流れてきたマンガで涙が溢れた。

内容的には「人と話すのが苦手で…主さんが講習会?に参加してカウンセリングしてもらう」みたいな感じだった。

うらやましかった。自分と似たような悩みを他人に聞いてもらえること、解決の糸口を教えてもらえること。

悔しくなった?自分には勇気も行動力もないからただ共感しかできないこと。




自分の弱みを話すと涙が溢れてしまう。よく心が弱いとか心が優しいとか囁かれていますよね。弱みを説明できるほど口は達者じゃないから他人に上手く説明できずほどほどに伝わってしまう。


__ならいっそ話さなければそれは無くなる


大人になって働いてから、その判断にひどく後悔しました。

説明が苦手になった。“伝える”能力が著しく低い。

要点を端的に説明する。この部分が苦手。



例を上げる。実際に仕事で起きたシーンだ。

先輩保育士「こみんさん。この子のかすり傷のことお母さんに伝えるの忘れてたから電話で伝えてちょうだい。ね?」

私「はい。発見時の状態の報告と処置。それから今の様子をお母さんから聞けばいいんですよね」

先輩「うん。それでいいよ。ごめんね私もう帰るから。明日報告書一緒に書くからね」


電話の内容をまとめる。

 “遅くにすいません。〇〇保育園のこみんです。先ほど伝え忘れたことがあるので報告のお電話でした……”

…みたいな感じで、まず話すことをメモします。私の場合、考えながら書くとひと文一文止まるクセがあるので結構時間がかかったりします。

準備が整って、さあ電話します。

…するとあら不思議。言葉が出ません。いうことはわかっているのに言葉が詰まる、もしくは異常なまでに噛む。たぶん普通の人から見るとイライラすると思います。

お母さん困惑。一呼吸おいて落ち着かせてメモを見て話します。

 電話をおえてまず反省。またしゃべれなかった。迷惑かけてしまった。表情がわからない相手と話すのも苦手なのでとにかく電話とマスクが嫌い。この時点ですでに半泣き。さらに報告書、先輩への報告(ここもうまく喋れないからあんまし伝わってない)



とにかく

・情報をまとめるのが下手

・表情が見えないと怖い

このことから電話報告が一番苦手な業務でした。


やるせない自分への怒りと諦めで何を書いていたんだか忘れましたが、要するに私は社会不適合者どす。働いているときは、だれにも見られないところで風に当たってその日の失敗でひとり反省会。そんなことしても無駄なのに。タバコ休憩みたいな感じ?タバコ吸わないけど。

 だれかに打ち明けようにも


“相談しても親身になって考えてくれる人がいない”


ヒトって興味のないことは左から右へと受け流すもんです。私もそうだし。つまりはどうでもいいんですよ。自分が1番かわいいから。


だから本気で誰かに相談しようと思えなかった。


子どもの頃に、何度カウンセリング室を睨んだか。どうせ無駄だと通りすぎたか。また今日もひとり泣く。助けてとひとこと会える場所に、私は巡り会えませんでした。


       はい、おしまい。

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