03 二次元と三次元と現実と幻想
「 大いなる不可思議の問に似て
母なる地球 その具象 解き明かさば
我ら行こう 遠く どこまでも
心揺らし 望み 過ごし ああ 其の名は? 」
片目を自らえぐり抜き、この世の総てを二次元とする
「 悠久を 撃ち抜くべし! 」
一千人の
「 遠きはこれより意味はなし!
ああ 世のすべて いずる根源を! 」
客席の中からも、おずおずとだが、
隠れ
自分ときたら隠れてこそこそ、誰にも知られないように
「 蒼穹より奇跡来るを
降り注ぐを 目にした者は幸い
歌の調べ共に 歓喜よ 集え! 」
これは呼びかけなのだ。
お前たちこそが幻想なのだ、という。
三次元、現実とされているものはすべて幻想であり、二次元こそが万物の真なる姿である、という根源の教え。片目をえぐればそれがはっきりとわかるではないか? 世界はそもそも二次元であり、三次元が存在するのは、人の頭の中だけなのだ、と。
天国や地獄と同じように、仮に、この根源の教えが事実では、真実ではなかったとしても……。
……片目をえぐれば真実にできる。世界は二次元である、と。
空いた眼窩に
「 声は誰しも持つ故に 我ら辿ろう!
大いなる御印を 我ら辿ろう! 」
だが
これは
一対一戦闘である火の巻以外で無類の強さを誇る、東京で最も狂った
だが
「 解き放ちたまえ! 魂に刻まれ」
銃声が
世界が幻想であれ、二次元であれ、銃弾は間違いなく真実だった。
おかしなことにその場で一番ショックを受けていたのは、
おそらくここはこれから、東京史上、最悪の現場となる。
「
「……
「うそ、だろ……死んで、る……」
悪夢である。
彼らの
「……
最も尊敬すべき狂人、
怒っているのではなかった。驚いているのとも少し違う。そうか、そういうことになるのか、と、数式を見て納得しているような口ぶりだった。やがて
「
脳への異物混入を防ぐ血液脳関門を経由せず、眼球から、
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