第12話

入院してから1週間、お見舞いには親しか来て居ない。


・・・やっぱり、完全に友達や、アイドル業・・・桜さん達からも見捨てられたのかも知れない。


連絡も誰もしてくれないし、返事もくれない。


「あ・・・あの、優さん」


恐る恐る、冬さんが部屋に入ってくる。


まさかこうなった原因の冬さんが入ってくるとは・・・


「ごめんなさい!!」


流石に謝罪一つで許せる問題じゃない


「・・・私、春さんに脅されてて・・・」


それは知っているし、それが理由でだから春と関わりが強い俺も悪い・・・とは流石に思わない。俺は別に冬さんに虐めたことなんてないし、むしろ普通に関わって方だし、それで俺が虐められて階段から落とされる。これは普通に虐めに加担したと同じだろう。


「・・・とりあえず、脅されてて可哀想だとは思うけど、治療費はどうにかして欲しい」


「・・・っ!!それは、」


そう言われても、それで迷惑の目にあったのは親だし。


「私・・・妹が居て、お金も余りなくて」


それならこんなことを・・・とは言えないか、妹が脅されてたんだもんな。どっちも妹為・・・はぁーー


つか実際、一番の原因は春だよな。もう流石に同情も友情もない、請求するなら春に本当にしたいけど、言葉だけだし・・・もしこの話が嘘だとも限らないし・・・


例えば、春が何かしらを優にしてと脅されて、暴走した冬が俺を落としたとか・・・そんな可能性があるなら、少なくとも確認の取れている冬にしてもらわないと・・・


「そうだ、」


「え、どうしたんですか?」


「・・・冬さん、とりあえず治療費は俺が出すからいいよ」

アイドル業を手伝って俺も収入があったからね。


「え、本当にいいんですか?」


「でも、ただとは言えないよ。条件がある」


「条件で・・・すか」

冬さんは怯えている。だが、そんなの関係ない


「アイドルになってくれ」


「え、」


「治療費を返す為・・・春を見返す為・・・冬さんには俺のマネジメントでアイドルになって貰う」


「え、えーーーーーーーーー」

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