第2章〜Everything Everyone All At Once〜③
クラス委員の
「――――――で、
早足で学校へと向かう途中、開口一番、口火を切ったのは、予想どおり、なんにでも早く答えを求める
オレの部屋で、こちらを問い詰めようとしたときのような詰問する口調ではないが、もちろん、その話し方から、友好的であるような雰囲気は感じられない。
「あの……私から
朝から、自室で言い争った二人とは異なり、自信なさげに語る
しかし、クラスメートのみならず、教職員からの信頼が篤く、先日、行われた生徒会長選挙で、(少なくともルートCのセカイでは)圧倒的な得票で当選をはたした
そこで、ふたりは、オレの自室で行ったような相手の主張を妄想や願望の
「そう……わたしは、二学期の文化祭が終わったあと、教室で
フフン……という擬音が聞こえそうなくらいのドヤ顔で語る
「まあ、ワタシは、先輩方と違って、お兄ちゃん……ううん、くろセンパイと交際しているという事実はありませんけど……毎日、
その言葉は、上級生のふたり、なかでも、幼なじみとして、オレとの関係性の長さには自信を持っているようすの
「べ、べ、べ、ベットで起こしてもらって、モ、モ、モ、モ、モ、モーニングコーヒーって!? ちょっと、
ディスクジョッキーがスクラッチするレコード盤のような声を挙げた
「『どこまで関係が進んでる』なんて、そんなプライベートなことは言えませんけど……少なくとも、配信動画で嬉しそうにモーニング・ルーティーンを披露しているインフルエンサーより幸せな朝を迎えているのは、確かですね」
その一言は、動画配信用の『clover field』にて、同世代のカリスマとして人気を博し、季節ごとのモーニング・ルーティーンを紹介している幼なじみにとって、痛恨の一撃とも言える内容だったようだ。
自分自身も、中学生時代に、散々その言葉の刃を受けてきたが、
「な、なんですって〜! もう一度、言ってみなさい!?」
「あの……私、
その悲しげで淋しげな表情は、オレのココロにチクチクと刺さる。
自室での状況から、
「いや……多分、これは、オレのせいだ……
そう言って、彼女には、まったく非がないことを伝えようとするが、自分でも何が原因で、突然こんな状況になってしまったのか理由がわからないため、それ以上、言葉を続けることができない。
この状況を打ち破る術を持たないオレが、文字どおり頭を抱えていると、交差点の向こうから、オレが最も良く知る男子生徒の声が聞こえてきた。
「リュウ……いや、
ニヤニヤと笑いながら、オレや周囲の人間が置かれた苦境を観察しているようなようすで語るのは、小学生の頃からの親友であり、部活仲間でもある
オレ自身が名付けた『セカイ・システム』にアクセスできなくなってしまったことも含めて、八方塞がりのように思えた現状に絶望しかけていたオレにとって、その表情は、救世主の笑顔のようにさえ感じられた。
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