第1章〜ヒロインたちが並行世界で待っているようですよ〜⑨
ルートB・
長年、密かに想いを寄せていた
いま、オレの心の一部を占めている
入学式の当日、担任から配られたプリントを手渡す際、
「ねぇ、あなたの名前は
と、彼女は軽く会釈をし、優しく微笑んでくれた。
積極的な性格になり、歌唱動画の投稿やSNSでの発信など、なんにでもアグレッシブに挑戦していく
そして、一年生の二学期のとき、オレは、彼女とともにクラス委員に推薦されたのだが、そのとき、
クラス委員の仕事を一緒にするようになってからは、彼女の真面目な仕事ぶりや、クラス全体に配慮した言葉には尊敬の念を感じるようになった。
また、彼女は教職員や先輩からの信任もあつく、次期生徒会のメンバー入りが期待されているそうだ。
何事にも、いまひとつ自信が持てなかった当時のオレは、放課後の教室でテキパキと委員の仕事をこなしつつ、
「ゴメンね、
と、自分の事情よりも、コチラを気遣う言葉をかけてくれる彼女の優しい人柄を感じながら、
(こういうシッカリした女子は、それに相応しい男子と付き合うんだろうな……)
などと考えていた。
陽キャラそのもので、クラスの中心人物そのものの
文字どおり、
「もし、
という好奇心を抑えることができなくなっていた。
こうして、同じクラス委員の仕事をこなすクラスメートに興味を抱くようになったオレは、文化祭までの成功体験を元に、ふたたび、『セカイ・システム』にアクセスする。
なるべく、自分と彼女が良い雰囲気になっているセカイを探し出し、『ルートB・
――――――のだが。
動画投稿サイトやSNSを中心にして、盛んに恋愛がらみの情報発信を行い、別のセカイでは、幼なじみであるオレの相談に応じて、その恋愛観を余すことなく開示してくれた
ここは、放送・新聞部の部員として、一年半以上に渡って、取材を通じて校内にさまざまな人脈を作ってきた経験を活かすしかない。
情報収集をするなら、このふたりの中でも、前者の
同じクラスの
また、男子としては例外的に彼女と比較的よく話している
一方、オレがこれまで各クラブへの取材で得た知見では、生徒会長にして吹奏楽部副部長の
以前、新聞部の取材のついでに、絶対に記事にしない、と約束したうえで、あいらんど高校では珍しく、男女混合かつ大所帯の部員数を誇る吹奏楽部の恋愛事情について、彼女に聞いたことあるのだが、そのときに、恋愛関係に発展しやすい楽器のパートや、交際が始まってからの男女のチカラ関係など、興味深い話しを聞かせてくれた。
さらに、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます