魔女は黎明に解釈違いの夢をみる
葉桜ヘム
プロローグ 魔女は自身の存在について疑問を呈する
私は魔女です。おそらく魔女です。
しかし、世の中には魔法少女と呼ばれるものも存在するそうで、恥ずかしながら申し上げると、その違いもあまり理解できておりません。
私は魔女のつもりでおりましたが、先日出会った小さな女の子からは「魔法少女だ!」と言われてしまい、焼きたての瓦せんべいで頭を打たれたかのような衝撃を覚えたものです。
衝撃と申しましても間違いを指摘されたからとか、アイデンティティを否定されたからとか、決してその様なことではございません。
魔法少女という言葉を聞いて「そのようなものもあったのですね!」という、感動によるものでした。
井の中の蛙、大海を知らずとはよく言ったものです。
たくさん勉強して様々なことを知ったつもりでも、日々、知らないことには出会い続けるものですね。
結局のところ、魔女と魔法少女の違いについてはまだわからないままなのですけど。
違いも何も、そもそもそんなものは存在しない。ですか?
そんなことはございません。
これらの言葉を聞いてその姿が想像できている【みなさんの思考の中】、そこにいるじゃないですか。
みなさんは魔女と聞いて、どのような姿を思い描きましたか?
年齢はいくつくらいですか?
容姿・服装はどんな感じでしょう?
どのような道具や魔法を使いますか?
良い人? それとも悪い人ですか?
そもそも、人間なのでしょうか?
魔法少女の方が想像しやすいですか?
どのように考えて、どう答えてくださっても構いません。
人それぞれ、いろいろな理想、解釈があって、全く異なる姿が映っているかもしれません。
そう、人それぞれ、いろいろ異なるのです。
でしたら今、あなたの思い描いた魔女の姿は【正解】なのでしょうか?
そんなこと、わかりませんよね。
私も、わかりません。
何をもって正解なのかすら、わかりません。
私が暮らしている【この世界】をこれからみなさんと【観測する】ことができたなら、たとえこのような滑稽でたわいも無い疑問であってもその答えがいつか示される、かもしれませんね。
なにより大切なことは、そんな世界を楽しむことができるかどうか、なのですけど。
それもまた、みなさんの解釈次第、かもしれませんね。
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