こもれびの家
あおきひび
魔女狩り
むかしむかしあるところに、一人の魔女がおりました。
魔女は歌うことが好きでした。森の中の小さな庭で、薬草などを育てて暮らしていました。お気に入りの旋律をくちずさみながら、草花の手入れをするのが趣味です。至って無害な魔女でした。
そんな彼女に悲劇が起きました。近くの集落から来た魔女狩りの男たちが、彼女を襲ったのです。庭は無残に燃やされ跡形もなくなり、彼女は捕らえられました。
怪しい歌と薬草で人を惑わす、悪しき魔女である。そんないわれのない罪を着せられた彼女は、彼らから罰を受けました。その喉に熱した鉛を流し込まれたのです。彼女は悲鳴も上げずに倒れました。
その時、森の向こうで雷鳴が轟きました。次の瞬間、魔女の前に黒く巨大な猫のような影が現れました。黒い化け物は魔女を口にくわえると、風のように走り去りました。
魔女の行方は誰にも分かりませんでした。
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