うろうろマンの苦闘

きつねのなにか

がんばれうろうろ

 mきゃmきゃ(誤字ではない)の主人公(うそ)うろうろマンは三分以内にやらなければならないことがあった。

 カップラーメンを食べることと、カラータイマーが鳴る前にmきゃmきゃの壮絶なバグを取り除くことだ。

 うろうろマンにはプログラミングの能力は無い。しかし、品質管理に関しては人一倍の責任感があった。


 まずカップラーメンを食べることは諦めた。だって今お湯入れたばっかり何だもん。無理じゃん食えないじゃんガリガリ囓るの? やだよ俺。

 これは3分後に至福の顔で食べるものなの。


 次にプログラミングにとりかかった。なんだこれは。初めて見るぞ。

 こんなの無理無理、わかる人に書いて貰う。


 そんな訳でうろうろマンは光の速度でソラクサシに向かい、セリヌンティウスを呼んできた。あの走れメロスのセリヌンティウスである。かれは天才的プログラマーであり、コードを見た瞬間悟った。


「これは無理だ。メロスを呼んでこい。メロスなら修正コードを持っている」


 かくして2分以内にメロスがこちらに来られるかの勝負が始まった。


 無理であった。まずメロスに伝書鳩を飛ばさないといけない。この時点で半日はかかる。そしてメロスが応じて走ってこなければならない。これ確か二日かかってたよな。

 え、なぜうろうろまんが光速で移動し無いかって?


 高速で移動したことにより空気との層の間にブラックホールが何個も生成されて超新星爆発まで起きてやべーんだ、とにかくやべーんだよ。

 うろうろマンはまだ赤ちゃんだから光速か時速2キロのどちらかしか飛べないの。しょうがないでしょ。


 あと一分である。正直カップラーメンはもう食べられるから全てを投げ出して食べちゃいたい。お腹すいたんだバブー。


 誰かが言った


「もうこのままマスターに出しちゃってよくね? ○天堂チェックで引っかかって差し戻されるでしょ、そんときバグ直せばよくね?」


 それだ。その手があったか。スーバミの時代、○天堂はソフト一つごとにチェックを入れていたのだ。ここまでバグが酷ければ差し戻されるに違いない。


 ええい、申請だー。


 チェックが通り、そのまま発売され、mきゃmきゃは伝説のバグゲーとなったのである。残り2秒であった。カップラーメンはお湯ではなく水を入れていた。

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うろうろマンの苦闘 きつねのなにか @nekononanika

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