プロローグ②

「猫……左右半々白黒の猫?変な柄だなぁ」

「変なガラとは失礼な!そもそもツッコむところ、そこじゃなくない!?」


 白黒半々の猫はふわふわと目の前に降りてきた。


「人間の言葉しゃべるとか、空を飛んでるとかいろいろとツッコむところあるんじゃないの!?それがよりにもよってボクのガラ!生まれつきだよ文句あっか!!」


 目の前でわちゃわちゃプリプリしている白黒にゃんこかわいい。

 抱っこしてナデナデして肉球プニプニして吸わせてもらえないだろうか。


「にゃんたん、どこから来たんでちゅか~?ウチの子になりまちゅか~?」

「和んでる場合じゃないし40代半ばの赤ちゃん言葉はヤメロォ!気持ち悪い!それにボクは赤ちゃんじゃないよ!こう見えて数千年生きてるんだよ!そんなことより話を聞けよぉ!!」


 ワキワキしている手に警戒してか、一頻りツッコんだにゃんたん…いや猫は少し距離をとってコホンと咳払いをした。


「……では改めて、ボクの名前はロキ。神様さ!」

「ロキ…というと北欧神話の?」

「そそ。なんかトリックスターとかなんとか呼ばれることもあるねぇ。……というかキミずいぶん落ち着いてるね」

「う~ん……まぁ人生すでに諦めかけてる人間ですから、今更慌てたところで。あ、神様だったらもう少しかしこまった態度とったほうがよろしいでしょうか?」

「別に構わないよ!ボクはフレンドリーな神様で通っているからね!」


 ロキと名乗ったにゃんこ神様は、ふわりと頭上に浮き上がる。


「ボクはキミに選択肢を与えに来たんだ。異世界転生……してみようか!」

「はい!喜んで!!」


 オレは一も二もなく飛びついた。



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