未来は天国か冥界どっち?

神無月ナナメ

KAC20241

 高坂明士には三分以内にやらなければならないことがあったから全集中しかない。


 そういえば三分時間制限からイメージするのはウルトラマンのカラータイマーだ。

重力の領域である地上戦闘に制限を与えることはリアリティ感を演出する疑似科学。


 もしくは三十分枠テレビ放送制約と特撮技術的に最適解の戦闘時間かもしれない。

もちろん東映の身内はいないし円谷プロダクションに関係者なんているはずもない。



 もちろん競技ボクシングならバトルラウンドは三分であり休憩一分に定められる。

人間として戦闘時の集中力と身体バランス間隔的にルール制定されたかもしれない。


 他に三分でイメージできるカップヌードルは浅間山荘事件でいきなりメジャー化。

カップ型のインスタントラーメンに熱湯を注いで三分待てば具材と乾麵が味わえる。



 カップヌードルを脳内イメージするだけで下腹部からキュルキュルと音が響いた。



 冷蔵庫の冷やしたペットボトルで言葉どおりにお茶を濁すしかない状況は飽きた。

早朝に目覚めて早くも500ミリボトル五本飲み終えたから逆のヤバさを認識する。



 プップップーと派手なクラクションが響きチラ見したスマホは十六時ジャストだ。




 心底自分が嫌になるぐらいに全開のオタ野郎……結局は周囲に流される他にない。

勢いままで開け放たれた入口は外出と夜間以外いつ何時でも施錠されることがない。



「メージ」「メージくん」「メージさん」「「「今日もよろしくお願いします」」」



 月末最終金曜の午後は冠婚葬祭や緊急事態を除けば半永久的に拘束されるようだ。

もちろん先月は初回大サービスかもしれないがリーガロイヤル全館を貸し切り状態。



 こんなことに無駄金なんて考えたのは間違いで……三者三葉にとんでもなかった。



 もちろん夫婦二組は血統的にも由緒正しい日本人で法曹界隈と金融業の大御所だ。

いやいや腰の低さと目つきの鋭さが反比例して……いやいやいやそうじゃないから。



 わずか数日で捨てたはずの黒歴史と忘れたい過去の胸糞ネタ暴露で速攻ツッコむ。

金髪(数か月後)合法ロリ美少女であるマリアは英国王室の継承権まであるらしい。




 前と左右から抱きつかれるように美少女三人ぶら下げて商店街を回るとデカい車。

いやいやいや普通じゃない濃緑色ロングホイールのロールスロイスゴーストだった。


 デカい運転手は……未来からきたアイルビーバックのアンドロイドそっくりさん。

この人たぶんアレだMI6やSASみたいな英国諜報機関に派遣された本業スパイ。



 正統派ロングスカートタイプのメイド服に身を包んだ巨乳美人は笑顔が恐すぎる。

それでもホッと安心したのは間違いなくて選べない前回とんでもないことになった。



 いきなり三者三葉の美少女から手招きされて誰かを選ぶなんてオタクに不可能だ。

前回は無理くりN-BOXで追随させてもらうまでかなりのムダな時間を費やした。



 これからどこまで連れていかれるのか謎だけど「天国への階段」だったりしない?

もちろんリアルのダンジョン……靭公園は恐ろしくて東京や名古屋に行く気はない。

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