第9話 加速する自死
改めて目標を定めた僕は、ひたすらに自死を繰り返していく。
どれだけ経とうが、決してその不快感に慣れることはない。
『攻略報酬
『攻略報酬 SPを10獲得しました』
『攻略報酬 SPを10獲得しました』
『攻略報酬 SPを10獲得しました』
『攻略報酬 SPを10獲得しました』
『全ての条件が達成されました』
『スキル【武具生成】を獲得しました』
――――――――――――――
【
・武具を生成する際、完成品の出来に補正が入る。
――――――――――――――
さらに1か月後、新たに通常スキルである武具生成を獲得した。
これについては僕も以前から知っている。
鍛冶屋やマジックアイテム職人の多くが所有しているスキルだ。
そんなスキルが、なぜ僕に与えられたのだろうか。
心当たり自体はある。
「ブラック・ファングの骨から短剣を作るのはもちろん、ここ最近は毛皮から簡単な衣類を作ったりもしていたし……多分、そのおかげかな」
ちなみになぜ衣類を作るのかというと、【無限再生】によって体の状態は汚れごと回復するが、装備品についてはそうもいかないためだ。
清潔感のない不快な装備をつけるくらいなら、ブラック・ファングから上手く剥ぎ取った毛皮で作ったものの方が何倍もマシだった。
――――さらに、僕の自死は続く。
『攻略報酬 SPを10獲得しました』
『攻略報酬 SPを10獲得しました』
『攻略報酬 SPを10獲得しました』
『攻略報酬 SPを10獲得しました』
『攻略報酬 SPを10獲得しました』
『全ての条件が達成されました』
『エクストラスキル【毒質反転】を獲得しました』
――――――――――――――
【
・自身に危害を与える毒の性質を反転させ、治療に使用できる。
――――――――――――――
さらに1か月後。
続いて獲得したのは、毒質反転という名前の聞いたこともないエクストラスキルだった。
説明からして、恐らく毒耐性の延長線上にあるスキル。
毒が効きにくくなるばかりか、まさか治療に転用できるようになるとは……状況次第にはなるが、これはかなり役に立つスキルかもしれない。
「それにしても、毒……か」
そのワードから、僕は【黎明の守護者】のうち一人を思い出した。
現時点では憶測にすぎないが、もしかしたらこのスキルも復讐に利用できる可能性がある。
「もちろん、色々と効果を試してからにはなるけどね」
いずれにせよ、手段が増えたこと自体はとても望ましかった。
――――さらに、僕の自死は続く。
『経験値獲得 レベルが1アップしました』
『攻略報酬 SPを10獲得しました』
『攻略報酬 SPを10獲得しました』
『攻略報酬 SPを10獲得しました』
『攻略報酬 SPを10獲得しました』
『全ての条件が達成されました』
『エクストラスキル【
――――――――――――――
【
・自傷を行い、受けた痛みを対象と共有する。
対象の抵抗力が高い場合、打ち消されることがある。
――――――――――――――
さらに1か月後
獲得したエクストラスキルは、まさに復讐向けの性能をしていた。
「痛みを対象と共有できる……か。自傷をトリガーにしているってことは、【自傷の契約】と同系統のスキルなのかな? 実質、僕にしか使えないユニークスキルみたいなものってわけだ」
これまで必死に自死を繰り返してきた甲斐がある。
確信を持ってそう言えるだけのエクストラスキルだった。
「さあ、まだまだ続けよう」
最後にそう呟いたのち、僕は再び心臓を突き刺す。
そしてここから、僕の自死はさらに加速していくのだった。
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※【黒きアビス】に閉じ込められてから、6か月時点。
シン 15歳 レベル:42
称号:なし
HP:420/420 MP:124/124
攻撃力:7530
防御力:7480
知 力:3180
敏捷性:7470
幸 運:3170
SP:0
ユニークスキル:【無限再生】
エクストラスキル:【自傷の契約】・【痛縛の強制】・【毒質反転】
通常スキル:【毒耐性】・【睡眠強化】・【武具生成】
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