第4話 4人と猫1匹の前世
主人公のランマルは、異世界転生して願ってもない事に、何とも美しい男に生まれ変わって森蘭丸そっくりに生まれ変わった。
だが、他のメンバ-の実態も知って置かなければいけない。
★☆
まず猫神様おマル様の実態はどのようなものだったのか?
どうも…大泥棒で名を馳せた安土桃山時代の「石川五右衛門」や江戸時代後期の「ねずみ小僧」の生まれ変わりとか何とか言われているが、実態は全く違っている。それでは何故「石川五右衛門」や「ねずみ小僧」の生まれ変わりと言われるのか?
実は…野良猫のマルは前世では町内一の泥棒猫だった。どうも…顔に泥棒の「ど」に似た柄が入っていたので正体を隠すために、ほっかぶりをして鼻の下で結んでいた。更には猫にしては異様に目👀が泳いで挙動不審だった。これはねずみ小僧に酷似した格好。
だが、その正体は正反対。
金持ちから盗んだ金や物を、貧乏人にばら撒いたとされる逸話が残る貧乏人のヒ-ロ-「石川五右衛門」や「ねずみ小僧」とは全く違う。
実態は、仲間がやせ細り死にかけな猫がいても、おデブのマルは食い意地が張っているので、絶対に貧乏猫に盗んだモノを恵まなかった。それどころか爪をむき出し「グ――ッ!」と😠威嚇(いかく)した。
困っている人を見過ごせない慈悲の心なんか、欠片もナイナイ。
貧乏人のヒ-ロ-「石川五右衛門」や「ねずみ小僧」とは程遠い。
こんな猫なので罰が当たって……多分のたれ死にしたのだろう。
★☆
それでは人間たちの前世はどのようなものだったのか?
最初はボンキュッボンの絶世の美女。
実は…この美女は前世では「イフラ-リャ」という国のマフィアの娘だった。
世界有数の巨大マフィア「カポネ一族」の娘として生を受けたが、闘争の犠牲となり豪邸が襲撃に遭い流れ弾を食らって死んでいた。
もわん もわん もわん
その時にやはりランマルと一緒で、死んでいく意識の中で神様の声が遠巻きに聞こえた。その時神様のお告げが有った。
記憶が薄れる中、やまびこの様に声がこだました。
「今度生まれ変わるとしたら……お前様の望みを1つだけ叶えてあげましよう……叶えてあげましょう……叶えてあげましょう……叶えてあげましょう……」
「私は今度生れ変われるなら、絶対にマフィアの子供には生まれたくありません。散々裏社会の残酷さを味わったので、今度生れ変わったら人助けをしたいです」
こうして…日本という国に生まれ変わった。
名前は「桜子・カポネ」絶世の美女で男を惑わせて、敵の秘密を探る事に長けている。現世では巨大マフィア「カポネ一族」の娘だったので、ピストルと矢の名手である。
それでは、桜子の容姿はどのようなモノなのか?
髪は艶のあるブロンドだが、決して長くはなく往年の大スターマリリンモンロー風の髪型である。瞳はサファイアブルーに輝いていて、更には真っ赤なツヤ感増し増しのレザー超ミニ ワンピースは、ピ~ッチピチで体に密着していて、ワザと体の線がハッキリと出る物を着用している。
また胸元が大きくハート型にカットされているデザインなので、大きな形の良い谷間がド—ンと目に飛び込んで来る。実は…このオッパイ谷間には秘密が隠されている。ハート型にカットされたデザインの所が”カパッ”と開くようになっている。中にはピストル、矢、それに男を虜にする香水が入っている。目の前で桜子が怪しげに「ウッフン💛」と言ってオッパイを触るので、犯人は余りの魅力に興奮して手を休めてしまう。それが狙いだ。そして…武器を取り出す。
そして…ツヤのある黒革のロングコートの襟を立て、そこから覗く何とも長く綺麗な足が際立つファッション。桜子が歩けば男達の視線は釘付け。
★☆
それでは今度は3人目の、白衣を着て試験管を持った腰の曲がった小太りで白髪の、75歳の博士らしきお爺さんだが、このお爺さんの異世界転生理由を見てみよう。
この老人は戦闘に明け暮れ、勝ち残った有数の大国であるブルトロミア王国の、発明家アカデミー(非営利団体で、優れた発明を実用化につなげることで、生活の質の向上や経済発展、社会福祉において多大な影響を与えた発明家をブルトロミア各国から選出した組織)の一員としてクロ―ン作りに多大な影響を与えた男だったが、発明の虜になりクロ―ン人間作りに執着するあまりに、悲惨な最期を遂げていた。
それはこの様なものだった。最も優れた知性、容姿のクロ―ン人間を生み出す事こそが人類の発展につながる。
その結果、IQ最高峰の遺伝子と遺伝子を組み合わせた天才クロ―ンが生み出された。更には王国一を誇る美形の男女遺伝子を合体させて絶世の美男美女を生み出した。
だが、王国一の知能、王国一の容姿だからといって全てがパーフェクトな訳ではない。祖先にいた殺人鬼の遺伝子を受け継いだ天才クロ―ンに滅多刺しにされて殺害された。そして…その天才クロ―ンはその優れた知能を王国の為に使うのではなく、大量殺人に使ってしまった。その為多くの人が犠牲となった。
こうして…記憶が薄れる中、同様に神様のお告げが有った。神様からやまびこの様に声がこだました。
「今度生まれ変わるとしたら……お前様の望みを1つだけ叶えてあげましよう……叶えてあげましょう……叶えてあげましょう……叶えてあげましょう……」
「あのような事件があったので……クロ―ン作りはチョット……?その代わりにあの世では発明家としていろんなものを発明したいです。そして…あの世の発展のため貢献したいです」
こうして…あの世でも発明がやりたいと神様に懇願したので、今世でも発明家となり、発明に余念がないエリック博士75歳。小柄で鼻が大きく、あぐらをかいている。そして…大きな真ん丸メガネを掛けていて、腰の曲がった小太りでボサボサ髪の白髪のお爺さん。
★☆
そして…最後の1人チーフだが、この「ドラキュラ伯爵」と呼ばれる45歳の男は、長身に加え無表情で青白い顔、どうも…現世では吸血鬼ドラキュラの一面もあった恐ろしい男。
前世では「ドラキュラ伯爵」は、表向きは由緒ある貴族で名前を「ロベロト」と名乗っているが、実は…ヴィエロ王国で美女を襲うドラキュラだった。棺の中で眠っていて夜な夜な棺桶(かんおけ)から抜け出し、美女の生き血を吸って延々と生き永らえていた。
◆吸血鬼は不死を保つ事で膨大な魔力を消費している。その魔力は放って置けばどんどん身から吸い取られ、最後は消滅する。その為棺桶(かんおけ)が必要なのだ。棺桶は大地の精霊などから魔力を奪い、棺桶の中にいる者の身にまとえるだけの魔力の準備があらかじめ出来ている。だから吸血鬼は棺桶の中に入っている。
だが、生き血を吸われた美女が吸血鬼となってしまい、次から次へと多くの吸血鬼が繫殖してしまった。
これに困ったヴィエロミ王国では、連日連夜会議が開かれた結果、国策で吸血鬼狩りが行なわれた。国中総出で追い詰めて、ニンニクを嫌う吸血鬼なので至る所に吊るし、十字架を付きつけ、活動を完全に封じ込めて首を切り落とす、心臓に杭を打つ、死体を燃やす等々、ありとあらゆる吸血鬼を追い込む方法を考えて、とうとうドラキュラ「ロベロト」は息絶えてしまった。
こうして…ドラキュラ「ロベロト」は異世界転生してしまった。
もわん もわん もわん
こうして…またまた記憶が薄れる中、同様に神様のお告げが有った。神様からやまびこの様な声がこだました。
「今度生まれ変わるとしたら……お前様の望みを1つだけ叶えてあげましよう……叶えてあげましょう……叶えてあげましょう……叶えてあげましょう……」
「あの世では絶対に吸血鬼にはなりたくありません。懲り懲りです。今度こそ人助けがしたいです」
血を吸う癖は治ったが、見た目はドラキュラそっくり。願いもむなしくドラキュラその者の容姿で転生してしまった。
一体どういう事?
容姿はドラキュラそのものなので「シ-クレット・ソサエティjP」の仲間達からは「ドラキュラ伯爵」と呼ばれている。それではどのような格好をしているのか?
黒のシルクハットを被り、黒のスーツに白いシャツ、白のベスト、蝶ネクタイ、それに黒のマントといった格好だが、目は落ち窪み全く生気を感じない死人の様だ。青白い顔に口からは、鋭い牙がニョッキリ顔を出して血が滴り落ちて居る。どうも…血がしたたり落ちているのは血ではなく赤アザらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます