第3話 ひな祭り/『ママのひなまつり』

園庭のあちこちで雛人形を飾ったことを苦行のように報告し合っている。

女の子が欲しかった男三兄弟の母は羨ましくてしょうがない。

自分の雛人形も結婚を機に供養したし、縁遠くなった行事だ。

「これ、ママ」

息子が制作したお雛様を指さした。

「おうちでママのひなまつりをしようね」

だって……泣ける。




◆3月3日は「ひな祭り」/2024年3月3日作

#140字小説 『ママのひなまつり』

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