第2話 01国と秘密の場所

ガチャ....バタンッ


「…うわぁー!!すげぇーー!!」

「上になんか大きいなにかある!!」


「お空だー!!キレイー!」


「うふふ(笑)お外ってすっごい広くて色んな形になってるんだよ」


2人が驚くのも無理もない。

扉を開けるとそこには2人の見たことのない景色が広がっていた。


アダンとヴェータが見上げると縦に50km、横に30kmほどの大きな木の葉形となっているモノがあった。

そしてさらにもう1つ上層には縦に20km、横に10kmほどの木の葉形のモノがあり、それらはそれぞれ中心に筒状のパイプのようなもので連結されそびえ立っている。


「ねぇねぇ!!あれってなぁ〜に!!!??」


外に出るやユマにすぐ聞くアダン。


「あれはね〜」


トントンっと自分達が立っている地面を足先で鳴らし答えた。


「今私達が立てているように、お空にも暮らしたり遊んだりできる場所があるんだよー」

「ここはね、01ゼロワン国と呼ばれる国でね・・・」


興味津々な2人に出来るだけ分かるように説明を続けた。



3人が暮らす国。

それは、01ゼロワン国と呼ばれる。


オメガゼロ彗星が着弾した横幅160km、縦幅80kmほどのクレーター部分を軸に、上空に土地を伸ばし人が住める場所を作り横から見ると3層のツリー形で成り立つ超未来国家。


こんなあり得ない事が実現出来たのも、オメガゼロ彗星から抽出できた未知なる物質N oneニューワンエネルギーのおかげだ。


普通、どんなに硬いものでも横に長く伸ばしていけば重さと重力によって折れてしまう。

しかし、このN oneエネルギーを加え生成したものに新たな性質の1つとして”共鳴強固”と言える事象が見つかった。


簡単に言うとこのN oneエネルギーが加わったものは、その物同士においてあらゆる面でリンクされ固まるといったもの。

この性質によって重力や重さなどの常識の概念を覆し形成できることを発見した為、これまでにない形で空中に広がる土地を実現した。


この土地はいわゆる地面などではなく、N oneエネルギーを活用し作られた新しい素材で出来た地面となるもの。

分かりやすく言うと、これまで町や道路に使われていたアスファルトの超未来版といえるものだ。


各層の規模間は、1番上の層で"ファイ・クーシュ層”と呼ばれており約1万人が暮らし、

その下にある2層目は、カイ・クーシュ層と呼ばれ、約10万人が暮らす。

3人が暮らしているのが3層目は"プサイ・クーシュ層”と呼ばれ、約40万人が暮らしている。

そして、1番下のクレーター部分は土で慣らし従来の地面で暮らす約50万人が暮らす、オメガ・クーシュ層。


上空の層はそれぞれ”木の葉型"で生成され、3層を貫き繋いでいる直径5kmで上空に数十kmある中央の筒状のパイプ、N oneエネルギーが供給されている通称:エデンと連結し土地を伸ばしている。


このエデンはXx機関が地中に埋まっているオメガゼロ彗星を囲うように作られた研究施設から上空に伸びるパイプのことだ。


このようにクレーター部分に該当する縦と横の面積に加え、上空に3層の土地を広げて成り立つ新しい形の国となっている。



「・・・だから私たちが住んでいる所はすごいんだよ〜!?」


「・・・」

「・・・」


「・・・分からないよね・・・あはは」


分かりやすく説明したとしても、すぐに分かるものでもない話に2人はポカンっとした顔をしている。

そんな空気感に耐えられなくなったのか、ヴェータが質問をした。


「…ユマ?あの上にも、ここにも他に誰かがいるの?」


「そうだよ〜私みたいに他にもたくさんの人が住んでいるんだよ」

「2人は人と会ったことないもんね」


「ユマ以外にも人っているんだ!!!」


「・・・ちょっと怖い,,,かも」


そう、今の家に来て3年間、2人はユマ以外の人と会った事がなかった。


2人は外が見えないようになっている窓で作られたお家の中と、家の中央にある中庭、そして家の地下に2人のために作られた小さなトンネルを抜けた先にたどり着く遊び場と言うなの公園のような広場のみで過ごしていた。

この公園も一般的なものとは異なり、周囲は大木などの背の高い木々で囲われ周りが見えないような形になっている。まるで誰からも見えないような形で・・・

そうしたのも、ユマがわざと会わせないようにしていた事は秘密・・・。


「私が一緒にいるから大丈夫よ〜」

「さ〜て、じゃあ下に行こっかぁ〜」


フンフンッ!!!

アダンは輝く瞳で周囲を見渡しそれどころではなかった。


「ねぇねぇユマ〜?どうやって行くの〜?」


「ヴェータ、えっとね〜」

指を指し話を続けた。


「あの、白銀に輝き上空に高く伸びている筒状のやつ見える?」

「あれがさっき話したエデンって言うところなんだけど、そこに上下に移動できる唯一のエレベーターがあるの」

「みんなそれを活用して移動するのよ〜」


「じゃあ・・・これからあんな遠くまで行くってこと!???」


「普通はね!(笑)」

「ほらアダン、行くよ〜!」


と2人の手を引いて歩み出したユマは、白銀に輝く筒状施設!

・・・ではなく、自宅の真横に木々が生茂る中へ入って行く。


スタスタスタ…


「えっユマ???」

疑問の声色で聞くヴェータ。


「どこ行くのユマ!!」

手を引かれるままストレートに聞くアダン。


「秘密の場所!」


「秘密!!!!???」


そんな2人の手を引きながら奥に進む。


スタスタスタ…

ガサガサガサ…


「到着〜!」


「・・・えっ??」

「ここ・・?」


そこはいつも2人が遊んでいた広場。

遊具のようなものが数点あり、中央にポツンと地面に埋まっている半球型の少し歪なものがある。

質感はゴムのようなもので天辺のみ少し硬い素材で出来ており、その硬い部分には模様が刻まれている。

2人はそんなところに目を止めずこの上に乗ったり飛び跳ねたりして遊んでいた一つの遊具だ。


「ユマ、知ってる〜?ここはね、僕らの遊び場だよ〜(笑)??」


「・・・ユマなんでここに??」


「ここ・・・実はね〜」


2人の手を離し、ユマ1人ゆっくり歩き出した。


スタスタ...


「2人とも少し離れてて〜!この遊具!実はね!(笑)」


そういうと、半球型の遊具近づき、模様部分にユマが何かをかざした。


「!!!?」


プーン……

…ファン


かざした半休型の遊具を中心に円形の光の模様が浮き出て数秒後、さっきまでなかった正方形の小さな建物が出現した。


「なにこれ!!!」

「えっ!」


「秘密の場所(笑)」


びっくりする2人の元に戻り手を取り、その建物に近づいた。


シュワン


するとその小さな建物の入り口が自動で開き中に進んだ。



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ここまでお読みくださいまして誠にありがとうございます。

いかがでしたでしょうか?

楽しんで最後までお読みいただけていたらとても嬉しいです!

不定期にはなりますが、次の更新までお待ちくださいませ!!

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