チキチキ!!3minutes バッファロー突撃デスゲーム!!!!

萎びたポテト

理不尽即ちデスゲーム!!

 ボクには3分以内にやらなければならない事があった。


 特に何かをしなければならないという訳ではないが、何かをしなければ多分ボクは死ぬ。

 何を言っているのかボクも分からないがそれは本当のことなのだ。


 なぜなら、薄暗い部屋にポツンと一人。

 いつの間にかここにいたのだ。

 友達の家で一緒に屋上日光浴をし、その後にアイスティーを飲んだらこのザマだ。

 多分、アイスティーに睡眠薬でも入ってたのだろう。


 しかし知らぬ間に誘拐されたとか笑えない。

 いや、笑われてたまるか。


 そして横の看板に“チキチキ!!バッファロー突撃大作戦”なる文字と共に何体ものバッファローがいる。

 ルールとしては、3分以内にとある単語を言わなければバッファローに轢かれるという至極単純なものだった。


 まず何なんだこの唐突なデスゲームは。

 3分の間に単語を言わなければバッファローに轢かれる?

 思わず思考が宇宙猫になってしまうほどに追いつかなかった。


 ここは日本だし、ただの牛なのかも知れないが、とにかくバッファローが突撃するらしい。

 なんでバッファローに突撃されて死ぬんだよ。そんなに業が深いのかボクは。


 タイマーは3分からスタートし、既に30秒経ってしまっていた。

 いつ始まったんだ。


 しかし、“セックスをしないと出られない部屋”みたいな感じの雰囲気でバッファローが突撃してくるという事なのだろうか?

 思わずそんな事を呟くと、聞こえていたのかSiriみたいな声で「YESEX」と返ってくる。

 なんてキモい返事だ。Twitterに常駐している暇人ぐらいにはキモい。


 まさかバッファローに犯されるなんて事はないだろうな。

 すると、またSiriみたいな声で「NOSEX」と返ってきた。

 なんかしっかり否定されたおかげで安心した。この状況には安心出来ないが。

 まぁ、そっちの方がまだマシか。

 いや、そっち方面の性癖だったとかいう訳ではなくて。

 

 とにかく残り2分。

 一体何をすれば良い?

 とりあえず……踊る。

 「チピチピチャパチャパドゥビドゥビダバダバマギコミドゥビドゥビブンブンブン!!!!」

 腕と足を交互に上げるだけのダンス。

 多分踊れば大丈夫だと思ったがタイマーは止まらない。

 ブモーかモーか分からないバッファローの鳴き声が野次を飛ばしている様に思えてきた。


 当たり前だろう。

 そもそも誰があの歌のテレビ版のバックダンスをやれと言った。そもそもコイツはそれを知ってるのか?

「お前、Twitterで見つけた話題が社会の中でも通じると思ってる?」


 クリーンヒット。


 突然の発言+メンタルを抉るワードにオーバーキル。初対面の人に言っちゃいけないだろそれ。


 そういう事じゃないらしい。

 ヒント、とりあえずヒントをくれよ!!


「ヒントは……最近だ」

「最近……」


 いろいろとアバウトすぎる!!

 分かる訳がないだろ。


 とりあえずSEXと大声で叫んだ

 だが、タイマーは止まらない。

「チンコとウンコで一生笑ってろ」

 はい、すみませんでした。


 どうやらダメらしい

 タイマーは残り30秒を切っている。

 クソ、どうにかならないのか……!?


 一体、何をどうすれば……

 刹那。とある閃きが脳裏をよぎる。

 向こう側の人間はTwitterと言っていた。

 だが、今はXなのだ。

 つまりは古参のツイッタラー……か、反イー◯ン派……

 Twitter、チンコとウンコ、最近……


 タイマーの数は徐々に減り続ける。

 

 3つのヒントをぐるぐると巡らせ、脳内を光速で回転させる。

 究極の思考ルーチンから得られた答え……


 それは……

「プロペラうんちだな!!」

「はい、終了〜お前は死」


 タイマーは0になり、檻からバッファローが放たれる。

 突撃してくる何十何百もの黒い群体がボクの身体を弾き飛ばし、空中でユニバーサル大回転をする。


 そして、薄れていく意識の中ボクは思う。


「結局、答えは何なん?」


「ちなみに答えは、“寝耳に水”だ」

(……)

 理不尽の極み。誠に遺憾である。



 

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チキチキ!!3minutes バッファロー突撃デスゲーム!!!! 萎びたポテト @hajimetsukasa

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