カズマ対大鷲のカナード
バンカーが入場口に戻るとカズマとカナードが待機していた。
「すまねえ、無理言って順番を変えてもらって」
バンカーは肩で息をしながら二人に謝った。
「いいって事よバンカーちゃん。ざわついていた空気もこれで解消されたし」
カナードは全く気にせず笑っている。カズマも気にしていない。
「気にするな、その場で展開が変わるのもプロレスだ」
そんな二人の優しさにバンカーは頭を下げて感謝した。
「ありがとう、それとこんな俺がお願いするのも恥知らずだと思うが聞いてくれ」
バンカーは改めて二人に向き直った。
「ボルガンを止めてくれ。俺はアイツの戦いが嫌いだ。弱者を痛ぶるようなプロレスは見たくない。まるで昔の闘技場を見てるようだった」
バンカーの目は真剣そのものだった。カナードは何と答えればいいのか分からなかった。しかしカズマは即答した。
「ボルガンを止めるとか訳の分からない事は約束出来ない」
バンカーはカズマを見たその目は失望により暗くなっていた。だがカズマの発言は終わらない。
「だが俺は勝つ」
カズマは言い切った。先程の試合を見てなお言い切って見せた。これにはカナードもそして頼んだバンカーも驚いた。これは冗談でも軽口でも強がりでもない。カズマの目は本気であった。
カナードも何か言いたかった。だがここで何か言っても強がりにしかならない。カナードはグッと言葉を飲み込んだ。
「それにああいう圧倒的な力で蹂躙する選手もいる。それがボルガンのファイトスタイルなんだろ」
圧倒的な力で敵を薙ぎ倒し、連勝記録を樹立した選手は確かにいた。だからカズマにとって何も問題は無いのである。そんなカズマの発言にバンカーは食ってかかった。
「あれをファイトスタイルの一言で片付けるのか?」
「そうだ、カナードの様に宙を飛ぶハイフライヤーもいる。ストロンガーの様に小狡い手を使う奴もいる。今日だってお前は自身の感情に任せて戦っていた。それもまた一つのファイトスタイルだ。ただボルガンを目の敵にするあまり、周りの観客が見えていないのはいけないがな」
バンカーは痛いところを突かれた。確かにバンカーは観客見えていなかった。退場する時も俯いて周りの歓声が聞こえなかった。
バンカーが何も言えずにいると会場からマネッティアの声が聞こえてきた。
「さあ本日の二試合目を始めましょう!」
マネッティアの声に会場から歓声が溢れた。マネッティアの合図を聞いたカズマは入場口に向かって歩き出した。
「それじゃあな」
スタスタと歩いていくカズマの後ろ姿に向かってバンカーは声を掛けた。
「じゃあカズマ。お前のファイトスタイルは何なんだ?」
その声にカズマは止まり背を向けたまま顔だけ振り返った。
「俺か?特に決まってない。ただ……」
そしてカズマは答えた。
「受けて、かまして、魅せて、勝つ」
それだけを言い残してカズマは大観衆が待つ会場に歩いて行った。会場から入場曲「ニューフロンティア」が聞こえる。カズマが入場すると割れんばかりの歓声が会場を包み込んだ。
バンカーと同じくカナードもカズマの後ろ姿を見送っていた。その表情は悔しさを滲ませていた。
――なんであの時、俺が勝つと言えなかった……
カナードはプロレスには自信があった。バンカーもカズマも倒せるつもりであった。しかしボルガンだけは違う。バンカーが負けた暴力的なあの試合を見て自分には勝てないと思ってしまった。勝つビジョンが全く浮かばなくなってしまった。
それでも試合を観戦するまでは何とかなると心の片隅で思っていたのだ。自分がチャンピオンになる想像を膨らませていた。
しかしカナードの心は折れてしまった。圧倒的な力の差を突きつけられたのだ。
だがカズマは違かった。カズマは「俺が勝つと」言い切って見せた。その目には曇りが無く当たり前の事の様に言った。
会場に入場曲「ブルースカイ」が流れた。カナードは入場口に向かって歩き始めた。カナードの姿が現れると会場から歓声が上がった。
カナードはリングに向けて歩いていく。
――カズマ、お前はやっぱりすげーよ。俺はボルガンの野郎に勝てるなんて思えなくなっちまった。強がりも言えねぇ。何がお前の自信になるんだ。教えてくれよ。
カナードはポストに颯爽と上り翼を広げて歓声に応えた。そしてリングに降り立ちカズマと向き合った。
――だからよ。お前のプロレスを魅せてくれ
両者の準備は整った。向き合う二人は見つめ合い、その姿を見ている観客も興奮を抑えられずにいた。
「さあ!両者臨戦態勢!この試合で明日の決勝を組み合わせが決まります!いや、そんな事はどうでもいい!今はこの試合を見届けようではありませんか!大会三日目、第二試合!カズマ対カナード!試合開始です!」
マネッティアの合図によって会場にゴングの音が響き渡った。
初めに動き出したのはカナードであった。ゴング鳴った瞬間の出来事である。
「トラースキックだ!先手必勝!カナードの蹴りがカズマの胸元に突き刺さる!」
カズマは大きく仰け反ったが倒れない。そんなカズマに対してカナードはその場で飛びカズマの肩に自身の両足を掛けた。ガッチリとカズマを足で挟んだカナードは大きく後ろに反り、カズマを投げ飛ばした。
「その場飛びフランケンシュタイナー!カナードが畳み掛ける!しかしカズマも何とか着地!倒れません!」
カナードに投げ飛ばされたカズマの背中に大きな衝撃が走った。それはカナードが走り込みカズマの背中にドロップキックをかましたのだ。
「ドロップキックだ!カナードの攻勢が止まりません!開始早々カナードがカズマに攻め込んでおります!」
「それだけカズマ選手を警戒してるのでしょう。明らかにいつものペースと違いますね」
カズマは突き飛ばされたがロープを掴む事で場外に出る事は免れた。
カズマは直ぐに向き直りカナードを見た。カナードもカズマを睨み警戒している。そんなカナードに向かってカズマはゆっくりと歩いて近付いた。
――さあ、どう出る?カズマ
カナードはカズマの出方を伺った。カズマが間合いに入るとカナードの胸元目掛けて渾身の蹴りを入れた。
「ト、トラースキックだ!」
カズマの攻撃は終わらない。カズマはその場で飛び両足をカナードの両肩に掛けてガッチリと掴んだ。そして身体を大きく仰け反らせ、勢いそのままカナードを投げ飛ばした。
「続け様にフランケンシュタイナー!これは先程喰らった連携だ!ならば次は!」
投げられたカナードはカズマと違い着地が出来なかった。膝をリングに着き何とか体勢を整えようとする。その背後からカズマが走り込んできた。そして身体を飛び上がらせカナードの背中に向けた両足を突き立てた。
「ドロップキック!まさか全く同じ連携をやり返した!まるで二人の実力差を分からせる様ではありませんか!」
「これはカナード選手にとって堪えるものがありますね。同じ技でこれだけ威力が違うならカナード選手の強みを生かさないと厳しい戦いになる筈です」
カナードはカズマのドロップキックに突き飛ばされリングの外へと落ちていった。リングの下で仰向けに倒れながらカナードはぐるぐると考えた。
――技の精度が違いすぎる。それよりフランケンシュタイナーなんて使ったとこ見たことねーぞ!いや、カズマがエルロンちゃんに教えたんだ。使えるに決まってるか。それにしても同じ技を使ってくるなんてカズマも性格が悪い。なんの当てつけだ?でもそっちがその気なら……
カナードは倒れながらニヤリと笑った。
「俺にしか出来ない技を使うだけだ!」
カナードは立ち上がり上空に向かって飛んでいった。
「カナードが空高く飛び上がった!まさか勝負を決める大技をここで使うのか!」
カナードは上空で止まるとリングに向かって急降下した。狙いはカズマ、有翼式スピアーの構えだ。
カナードはリングすれすれで方向転換しカズマに向かって突撃していく。流石のカズマも試合の序盤で大技を喰らう訳にはいかない。横に転がりながら避けてカナードのスピアーをやり過ごした。
カナードの目の前からカズマが消えて、ロープに向かって突進していく。カナードはそのまま止まらずロープに激突した。
ロープに自身の両腕を引っ掛けて無理矢理止まった。ロープはカナードが突撃したことにより大きく伸び、まるで弓矢の弦を引いている様な状態になった。そして矢はカナード自身である。
ロープの反動を利用して勢いよく放たれたカナードはカズマの腹目掛けて両足を突き立てた突っ込んだ。
「ドロップキックだ!まさかの発想!矢のように放たれたカナードのドロップキックがカズマを射抜いた!」
「カナード選手もスピアーをかわさせるの読んでましたね。これはカズマ選手としては予想外の展開になりました」
横っ腹にドロップキックが突き刺さったカズマはリングに両膝と片手をついてた。残った手は脇腹を抑えている。予想外の攻撃にかなりのダメージを与えられた。
カナードはカズマの頭の方に立った。そしてカズマの背中から腹に向かって手を伸ばして、カズマを逆さ吊りの状態で抱え、空高く飛び上がった。
「これは大鷲式パワーボムの体勢だ!カナード今が好機と見たか!」
カナードは上空でカズマを掲げて勢いよくリングに叩き付けようとした。
しかし、そんな大技をいきなり受けるカズマでない。カズマは自身の両足をカナードの両肩に掛け首を挟んだ。そしてカナードの頭が真下に来る様に無理矢理身体を反らした。上空でのフランケンシュタイナーである。
まさか自身のパワーボムがこの様な形で破られると思っても見なかったカナードは焦った。
――まずい!このままでは!
頭から落ちているカナードは危険なのは当然だが、一緒に落ちているカズマも十分危険である。それでもカズマは返し技としてフランケンシュタイナーを行った。
カナードは悔しそうに歯を食いしばり翼を広げて大きく羽ばたいた。リングすれすれで減速した二人はそのままリングに突っ込んだ。無理矢理羽ばたいた事により二人の体勢は崩れて、お互いの技は不発に終わった。
「パワーボムをフランケンシュタイナーで返し!それをカナードは何とか回避!上空での目まぐるしい攻防の決着はギリギリの所で痛みわけの様だ!」
「二人ともかなり危ない状況でしたね。カナード選手が羽ばたかなかったらカズマ選手はそのまま突っ込んでいたでしょう」
カナードは肩で息をしている。その額には冷や汗が流れていた。
――危なかった、カズマは俺もろとも突っ込む覚悟を決めてた。とんでもねぇ野郎だ……俺にその覚悟はあるのか……
カナードは考え込んでしまった。リングの上にいながら。敵が目の前にいるにも関わらず。
気付いた時にはカズマが目の前におり、その逞しい右腕を振りかぶっていた。思わずカナードの声が漏れた。
「しまった!」
激しい音と共に強烈な痛みがカナードを襲った。
「逆水平チョップ!これは痛い!カナードの胸が真っ赤に腫れている!」
ふらついたカナードにカズマは追い討ちをかける。カナードの左首筋にエルボーを叩き込む。
「エルボーだ!カナード油断してしまった!いや!まだ終わらない!」
カズマはその場で回転して右手を振り回した。
「スピニングバックブローがカナードのこめかみへ!攻勢を仕掛けるのはカズマ!カナードの隙を逃しません!」
「カナード選手はパワーボムを返されて集中が切れてしまいましたね。これは命取りです」
カナードはフラフラの足でカズマと距離をとった。それをカズマは追いかける。
カナードは翼を広げて一っ飛びでトップロープに飛び乗った。リングの外に身体を向けているが狙いは後ろのカズマである。ロープの反動は利用して身体を捻りながら飛び上がった。
カズマへのダイビングボディプレスである。
カナードはカズマと空中で目が合った。カズマは待ってましたと言わんばかり自らの右足をカナードに突き立てた。空中迎撃のカウンタートラースキックである。
あと少しでカズマの右足がカナードの腹を突き刺さる所でカナードは一度大きく翼を羽ばたかせた。カナードの身体一瞬空中で止まった。カズマの蹴りは当たらない。そしてそのまま伸ばされたカズマの右足を掴み、その場で回転した。
「ドラゴンスクリューだ!何という攻防!技の読み合い!ボディプレスを読んだカズマのトラースキックをカナードは読みドラゴンスクリューに切り替えた!」
「カナード選手の集中が戻ってますね」
ドラゴンスクリューによりリングに投げ飛ばされ仰向けに倒れたカズマの腹は無防備であった。
カナードはドラゴンスクリューからリングに着地せずそのままカズマの腹目掛けて両足を突き立てた。
「ダブルストンプ!ドラゴンスクリューからの流れる様な連携!さ、更にもう一度飛んだ!」
カナードはカズマの腹を蹴り飛び上がり今度は両膝を立てた。これを貰ってはまずいと感じたカズマはリングを転がりなんとか回避した。
「ダブルニードロップはかわされましたね。流石のカズマ選手もこれをもらってはおしまいでしょう」
ダブルニードロップをかわされたカナードの体勢は崩れていた。カナードが直ぐに立ち上がろうと顔を上げた隙にカズマは横になりながらカナードの足を蹴り、足払いした。
リングに倒れ込んだカナードに対してカズマは瞬時に立ち上がりその場で飛んだ。空中でカズマは肘を立てカナードの腹に狙いを定めた。
「エルボードロップ!カナードの腹に肘が突き刺さった!倒れた体勢からの足払い!そこからのエルボードロップ!」
「目まぐるしく攻守が移り変わりますね」
カズマは立っているが、カナードはリングに仰向けで倒れ込んでいる。
――本当に……楽に勝たせて貰えないな……
カナードは倒れながらも笑った。
カズマが次の技を繰り出そうとカナードに近付いた瞬間、カナードは下からカズマの腹を蹴り上げた。不意打ちを喰らい後退りするカズマにカナードは飛ぶ様に立ち上がり更なる攻勢を仕掛けた。
「逆水平チョップ!そして首筋にエルボー!まだ止まらない!スピニングバックブロー!何とカズマにやられた連携をそのままお返しした!」
「これは最初の意趣返しですね。あんな事やられて黙ってる選手じゃないですよ」
カズマにやられた連携を終えたカナードだがまだ手を緩めない。カズマの首の後ろに手を回して膝つき立てながら飛びついた。
「コードブレイカー!やられたら更にやり返す!舐めるなよと言わんばかりのコードブレイカー!流石のカズマもこの怒涛の攻勢に顔が下がる!」
頭が下がり無防備な背中を見せたカズマにカナードは上から覆い被さる様に抱えた。
「これはまさか!改めてやるのか!決めにかかるのか!」
カナードはカズマを逆さに持ち上げるとその場で上空に飛んで行った。先程失敗した大鷲式パワーボムをここで決めるつもりなのだ。
空で止まったカナードは思い切り急降下してカズマをリングに叩きつける体勢に入った。
この技を喰らうのは危険だと分かっているカズマは先程同様にカナードの両肩に自身の足を掛けてフランケンシュタイナーに無理矢理持っていこうとした。
「やっぱり、これは返すよな?お前の覚悟は分かった」
カナードがカズマに語りかけた。そして更にこう続けた。
「だが今回は俺も腹を括った!」
カナードはカズマの腹を拘束していた両手を離して、今度はカズマの両足を掴み、固定した。そして両足をカズマの手に絡ませカズマを拘束した。
カズマを完璧に拘束したカナードはカズマを下にしながらそのままリングに突っ込んでいった。
カズマはカナードとリングに挟まれる形で墜落していった。リングは大きな揺れ、衝撃音が会場に響き渡った。
「スタイルズクラッシュ!何て危険な事をするんだ!カズマだけではなく自身のダメージも計り知れない!まさに捨て身の攻撃!これがカナードの勝利への執念か!渇望か!どちらも立ち上がれない!」
技を放ったカナードですら大きなダメージを負った大鷲式スタイルズクラッシュ。二人はリングに倒れているがカナードが先に立ち上がった。
――何の危険も冒さずに勝とうなんて……そんな甘い話は無いよな……なあ?カズマ……まだ立つんだろ?ボロボロになりながらもお前は立ってくるんだろ?忌々しい奴だ……
カナードの考えは当たっていた。
カズマはうつ伏せに倒れながらも必死に腕をリングに着き立ち上がろうとしている。
「まだやれる!双方立ち上がろうとしています!これはなんだ!気合いか!根性か!何を彼を突き動かす!その原動力は何処から来るんだ!」
二人はふらつきながらも立ち上がった。
「死んだかと思った……」
肺を潰されたカズマは苦しみながら笑い呟いた。
「死なねぇのかよ……」
カナードも息を乱しながら呟いた。だがその表情はニヤリと笑っている。
「やるしかないか……」
そう呟くとカナードは天高く飛んで行った。そしてリング上空で止まるとそのまま急降下していく。
「この構えは!有翼式スピアー!フラフラのカズマが避けれるのか!受ければ試合は決まってしまうぞ!」
マネッティアの実況にカナードは笑った。
――避ける?カズマはそんな事しない筈だ。この試合の最終盤、お互い死力を尽くしたこの瞬間のこの技にカズマは避けるなんて事はしない。カズマはそういう奴だ。観客席からバンカーが飛び降りた時もカズマは避けなかった。ストロンガーの握手が罠だと分かっていても手をとった。それがお前のプロレスなんだろ?卑怯かもしれないが俺は勝ちに行く!文句があるなら、受けて、かまして、魅せてみろ!カズマ!
カナードはリングすれすれでカズマに向かって方向転換した。その時カナードが見たものは予想だにしなかったカズマの行動であった。
カズマはカナードに向かって走ってきたのだ。
――なんだ!何をするんだ!ラリアットか!違う、構えていない!分からない!だがもう止まられない!
カナードは減速せずカズマに突っ込んでいく。
カズマはカナードとぶつかるギリギリの所でカナードの上を飛び越えた。カズマが上、カナードが下の状態で両者は宙で重なった。そしてカズマは上からカナードの腹に手を回してカナードを抱えた。
カナディアンデストロイヤー
相手を逆さに抱え込んだ状態になり、宙で一回転してパイルドライバーを行うプロレス技。その難易度と危険度は計り知れず、回転により威力を増したパイルドライバーは危険を通り越して命に関わる。
カズマはカナードを抱えたまま宙で回転して、カナードの脳天をリングに叩きつけた。
――嘘だろ……そんな事……できんのかよ……すげーな……
カナードはリングに倒れ込んだ。カナードは薄れゆく意識の中で思ったのはカズマへの賞賛であった。
「カナディアンデストロイヤーだぁぁぁぁ!!カナードをリングに突き刺した!まさかの大技でカナードのスピアーを封殺した!カナードが力無く倒れる!羽の一つも動かない!完全に意識を失っている!試合続行不可能!決着であります!大会三日目!第二試合!カズマ対カナード!勝者はカズマ!度重なる猛攻を耐え抜き!一撃必殺のカウンターを決めた!」
会場は割れんばかりの拍手に包まれた。誰もが興奮し、カズマに歓声と拍手を送っている。
そして入場曲が流れた。流れたのは入場曲「ボルケーノ」
その曲を聞いた瞬間、観客は一斉に静まり返り入場口を見た。そこには先程試合を終えたばかりのボルガンがおり、リングに向かって歩いている。両者の邂逅に会場は興奮した。
「ボルガンであります!ボルガンが突然乱入してきました!何だ!何をするんだ!」
周りの声など気にする事なくボルガンはリングに歩いて行きエプロンに上った。そしてリングにいるカズマと睨んだ。
両者睨んでいるが笑っている。二人の間に言葉はない。ただ決勝で再び戦える事を噛み締め喜んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます