俺の仲間が2週目っぽいんだけど、もしかして今から俺は死ぬのかもしれない。
@undermine
第1話 俺の前にいるのは2週目の仲間かもしれない
突然だが、俺の話をさせて欲しい。
俺の名前はニア・モリ。前の名前は割愛するが前世の記憶がある。
まあ、前世の話はどうでも良い。今の話をしよう。
俺の立ち位置はまあ友人A、もしくは村人Aというようなものだ。一応の才覚と、最低限の戦闘能力を持っているくらいだと思ってほしい。
主人公がいるとしたら、その主人公にその死をもって旅立ちの動機を与えるようなそんな感じだ。
だから、まあ。
恐らく主人公ポジションだろうお隣さんがいる事も、そいつが明らかに特別な力を持ってる風なのも分かる。
だけど、さあ。
「ニア、もう君を1人にしない」
そっから熱烈なラブコールを受けるのはおかしいよなあ。まず初対面だ。なぜなら今日俺の一家はここに越してきたから。
もうも、何も、初めて会ったし、そもそも名乗ってないし。というか、何で両手をがっしりと握って離さないんだ。
「いやまず名乗ってくれるか。誰なんだお前は」
「ああっ、その物言い。懐かしいなあ、私はメイサァ。メイと呼んでほしいな」
金髪キラキラ、王子様系の女主人公か。いーね王道だ。
「君のことを十年待った。大丈夫、これからは私が君を守るよ」
「十年? 今何歳だ」
「十歳だよ」
「産まれた時からか、どういう事だ」
「言えない。けど、私は君を守りたい」
「いや察した。お前これ初めてじゃないだろ。俺と会うのとか、きっとこれから俺と一緒に何かするのとか」
どう考えても言動がおかしすぎる。予言というには実感がありすぎるし、何より待った時間が産まれてからピッタリてのも気にかかる。
俺みたいな例も一例じゃないだろうし、もしかしてこいつは人生2週目の奴なんじゃないだろうか。
「な、ななな、なーにを言っているのかな!? そんな事あるわけないじゃないか、いきなりそんな事を言い出すなんて。ニアはそういうところがあったもんなあ、あはははははは」
「メイ、悪かった。もうしない」
これは罠だ。前の俺が何か非常に印象的な事をしていたとすれば、抽象的な謝罪に反応をするはずだ。
しなければ、まあもう少し探る。
「本当にそうだよニア……もう2度とあんな事させない……さ、さ、ざぜないがらなぁ!!」
号泣だよ、前の俺は何をしたんだよ。こんな泣かれる事ある?
ずいぶん仲が良かったようだ。さて、このリアクションに関しては、どう見るべきか。即興で考えられる事としては……
※※※
子供2人の出会いが行われている間、同時に高次元ではある2名がその様子をモニター越しで確認していた。
片方は異世界転生担当、もう片方は世界運営担当である。
「っしゃあ、ようやく出会ったわ。どうよ、面白くなりそう?」
赤髪の男神が言った。
「まだ分かんねーぞ。そもそも前回のルートは奇跡的だったからな。あれで終わりでも良いんじゃねえかと思っていたのに、もう1パターン見たいって言い出しやがって」
青髪の男神が言い返す。
「いやだってさあ、仲間の犠牲でない方が美しいでしょ」
「はー? 最高の死場所だっただろうが。あそこで1人死んだから全体の構成が締まったんだろ」
「いやいやいや、ハピエン神の俺は許せねー」
「おいおいおい、俺がバドエン神だってのか」
「そーじゃねーけどさ。やっぱもう少し踊ってるとこ見たいって思っちゃったんだよねえ」
「お前それで他の世界ぐっちゃぐちゃになったの忘れたのか」
「なってませんー、全滅エンドになっただけですー」
「全員血肉がグチャグチャされてただろう」
「それはそうだけど」
「ん? シンキングタイム終わったみたいだぞ」
「マジで? んじゃまあ、2週目記憶持ちと異世界人でスパークしてもらいましょうか」
※※※
今なんかすごいゆるい会議を受信したような。いや良い、そんな事は気にするな。
少し考えて俺が出した答えは
「俺これから死ぬのか」
▶︎第2話『俺はこれから死ぬのかもしれない』に続く
神のメモ書き 上が赤髪で、下が青髪でーす。
【村人A】
路傍の石。
しかし、愛する者にとってそれは代え難い宝に他ならない。
BGM【平和な街】
ゆったりとした曲調、始まりの街に相応しい明るいもの。しかし少しの不穏さを感じる。
平和とは、戦争と戦争のはざまである。
(お願い)
良かったら、評価とか、もらえると、更新が早まるかもしれないです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます