バッファローウィング

ノート

バッファローウィング とは

 バッファローウィング(英: Buffalo wing)は、バレット・バッファロー(英:All Killing Buffalo)の手羽を素揚げにし、辛味の強いソースをまぶした伝統的アメリカ料理である。

 シンプルな料理だが人気は高く、ハリウッド映画やホームドラマなどでも度々登場し、アメリカ料理の代名詞とされている。

 元々はネイティブアメリカンのチュパチュパ族が成人の儀に決まって作った料理と言われており、現代でも「バレットウィング」や「ウィング」と呼ばれ親しまれている。


 そもそもバレット・バッファローとは、哺乳綱有翼蹄目擬牛科バレット・バッファロー属に分類される有翼蹄類である。ペガサスやヒポグリフをはじめとする有翼蹄類の中では珍しく群れを形成する種であり、古くは渡り鳥の一種とも言われた。

 体長300~350センチメートル、体重1200キログラム~2000キログラムと陸棲哺乳類の中では大型だが、特徴的なのは背中に生えている3対の翼である。

 鳥のような形態をしているが、羽毛の代わりに鋼鉄製の鱗がびっしりと生えており、これは鎧の様に身を守る一方後述するように障害物を破壊するための破砕機としての役割を果たす。

 またこの羽はオスのバッファローにしか生えていない。


 バレット・バッファローの生態としてもっともよく知られているのは、メスがアメリカのヨーロッパ州、オスがスペインのガリシア州に分かれて棲み、繁殖期の始まる春ごろにオスが北大西洋を踏破する大移動をする点だろう。

 これはバレット・バッファローの大移動として知られ、そのシーンを見るために世界中から観光客も集まるという。


 既に気づいている方も多いだろうが、オスのバッファローはその立派に生えた翼で飛行することによってアメリカ大陸に到達する。

 しかし3対の巨大な翼でアホウドリよろしく羽ばたいたり滑空したりするわけではない。

 バッファローの飛行は次のような手順で行われる。まずその強靭な4本の脚でスペインの西海岸まで十分な助走をつける。次にある程度のスピードに到達すれば翼で身体を包み回転し、ジャイロ回転により揚力を得る。最後に肛門から高圧のメタンガスを噴出し、一晩かけて北大西洋を越えるのだ。

 この突進は何によっても止めることは出来ず、あらゆる生物、岩、軍艦を破壊し、大砲すら跳ね返し、全てを破壊し突き進む様に慄いたイギリス艦隊の悪罵は“BULL SHIT!”の語源になったとされる(要出典)。

 またこの時のメタンガスにより春季の北大西洋は一面が曇り空になり、これが地球温暖化の原因として問題視されている(要出典)。


 飛行時のバッファローのスピードは時速546マイルであり、何百頭ものバッファローが弾丸のようにまっすぐ北大西洋を突っ切る様は、スペインの船乗りたちにとって一種の災害であり春を告げる風物詩でもあった。

 特に西英戦争の際、春季にスペインへ攻め込んだイギリス艦隊が壊滅的大打撃を受けたことはヨーロッパ史学会では常識である。

 また、バレット・バッファローの大移動は外海へ挑戦する船乗りたちによっては常に悩みの種であり、もしバッファローさえいなければ大航海時代の到来は200年は早かっただろうと主張する識者もいる(要出典)。

 翻ってネイティブアメリカンにとって春の訪れとともに訪れ、進路上のすべてを穿ち破壊するバッファローの群れは、厄災であるとともに春をもたらす精霊として神聖視されていた。


アメリカ・スペイン双方にとって悩みの種であり、春の風物詩であり、厄災であり、神でもあるバッファローだが、その向き合い方は双方でかなり異なる。

 スペイン側はバッファローを手なずけ、群れの大移動から家屋や船を守るために闘牛士と言うバレット・バッファローの専門家が生まれた。

 闘牛士は弾丸並みのスピードで飛行するバッファローの行く手を優れた動体視力で読み、バッファローのメスから取った赤い毛皮のマントを用いて群れを誘導し、その的確なマントさばきによってスペイン国民の財産を守る騎士であり戦士のような存在だ。


 一方でアメリカではバッファローは狩猟対象として認識されていた。

 前述のとおりネイティブアメリカンのチュパチュパ族では成人の儀においてバッファロー狩りが行われる。

 バッファロー狩りはバレット・バッファローの大移動が始まる半年前には準備が始まる。

 バッファローの翼は鋼鉄の鱗で覆われているため、彼らの使用する槍や弓矢は全く歯が立たない。

 そのため、彼らはアメリカ大陸に着いたものの運悪く事故や病気により死亡したバッファローの翼を集め、その鱗を特性の網に編み込むのだ。

 バッファローの鱗はやすりの様に尖り、鉄ですらやすやすと切り裂く殺傷力を持つ。

 バッファローの翼はバッファローの鱗でしか傷つけられないのだ。

 網が完成すれば、後は春ごろの大移動の時機に合わせ、指定のポイントへ網を仕掛け、かかるのを待つ。


 チュパチュパ族の狩猟方法は、バッファローウィングがメジャーになった現代でも行われている。

 この方法だと時速546マイルで突っ込んできたバッファローの肉はズタズタになってしまうが、獰猛なバッファローは牧畜には向かないため、仕方なくこの手法がとられている。

 また、アメリカ合衆国憲法修正第325条では無免許のバッファロー・ハンターは処罰されることになっており、それでもなお毎年の無免許バッファロー・ハンターの死亡事故は絶えない。


 最後にバッファローウィングの味だが、牛肉の旨味と鶏肉の淡白さが合わさり、特にコーラやビールによく合うとされている。

 また、バレット・バッファローのバッファローウィングにちなんでチキンの手羽焼のことをバッファローウィングと呼ぶこともあるが、筆者としてはぜひアメリカで本場のバッファローウィングを食べてもらいたい。

 北大西洋を渡ってきた踏破したばかりのバッファロー翼は、しなやかでありながら噛めば噛むほど旨味の染み出す、まさにアメリカの魂なのだ。

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