恋愛成就には、3分以内に やらなければならないことがあった!
越知鷹 京
💗恋愛成就
恋愛成就には、三分以内にやらなければならないことがあった。
それは、事前に 気なる異性を 30人以上 ピックアップして、3分以内に『おなじ愛の言葉』を一斉に告白しなければならない!
⇩
【 芹香へ。まずは、おめでとう。君には、この喜びの言葉をかけよう。そう。君は俺が出会ってきた中でも、最も エロい顔 -100人- に 選ばれたのだ。そして、俺は今夜、君に告白するよ。
俺の毎日は、君のその エロい視線に いつも釘付けだ。その視線ひとつひとつが、俺の見る世界を変えてくれた。そのエロスこそが、俺にとって最大の喜びといっても過言ではない! だから、俺と付き合ってください。by
◇――
人生、最高の日。
それは、突然やってきた。
病院で初めて朔也に会い、
彼の親友と名乗る
私は「これはナンパだ」と察した。
そして、返す言葉のコンマ1秒で、話を彼好みに彩ることができた。
まず笑顔を忘れずに。
男性は美しいものが好きだということを知った。
優しい目を。
高圧的では好まず、控えめだが時折感情に訴えるよう、大人びた視線が必要だと知った。
次には言葉遣い。
女性らしくあることも忘れてはならない。
「私、芹香だよ? 久しぶり!」
そう返すと、彼は「ああ……ああ……そうだ、そうだったよな。じゃあ行こうか」と言う。「え……でも私は……」
気弱そうに 恥ずかしがる 目線をおくった。
「ははははは、何? まさか俺に口答えする気か? お前こそ、俺を誰だと思ってんだよ?」
「あ、ごめん……なさい」
コンマ1秒で、彼のプライド、すべてを手に入れる。
男の考える事なんて、手に取るようにわかってしまう。
好きな人のために、奇跡をおこそうと、一生懸命になる。
そして、粗鉄のように 冷めると脆い《もろ》い…。
だから、仮面のしたの仮面をさらす。
そうすれば、何の疑いも持たずに 喜んでくれる。欲を満たす。
見えない。抜け出せない。ココロの【
(浮気なんて、赦さない。私という 蜂蜜で 満たしてあげる)
***
朔也 は、私にとって 初めての人だった。
いまは、もう壊れてしまったけど、面倒見の良い兄さんのような人。
少なくとも私はそう思っていた。
そして 最近になって 気付いたことがある。
どうやら私は彼を、異性として好いてしまっていたようだった。
だから少しでも好いてもらえたくて、少々必死になるのも仕方がないことだと思う。
そうして 浮かれて連絡をすると、女が出た。向こうはパニックになってたから
何か恐ろしいことが起きそうで、
慌てて 病院に向かった。
「は、朔ちゃん!!? 」
すると、そこに
大声で私を咎めるので少し驚くが、腹立たしい気持ちはそのままだ。
「私、芹香だけど」と告げると、途端に彼女の表情が曇るものだから笑いそうになる。しかし、そこで私は思い付いた。
朔ちゃんのためにも、ここで私が朔ちゃんと付き合っていることにしておいた方がいいだろう。そうすれば朔ちゃんの特別になれるかもしれない。そう思い至った私の提案にはすぐに実行された。
だって、私は、天沢芹香の双子の弟。
お姉ちゃんの真似が、大好きな弟なんだから……。
――10日後。朔也は 顔面を削られて、死んでいた。
きっと、お姉ちゃんが嫉妬してしまったのだろう。
だから、私も真似をしなくちゃ。
『ねぇ、尚ちゃん。尚ちゃんは、壊れたりしないよね?』
◇ 了
恋愛成就には、3分以内に やらなければならないことがあった! 越知鷹 京 @tasogaleyorimosirokimono
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます