第11話 人生の一大事

でも、きっとそう、あれは、急ぐ時期だったんだ。と思うけど、君は、どう思う?だって、放っておいたら、もう、ぼくは、君と会えなくなるんだよ。


いくら、君が高嶺の花子さんだとしても、これほどのぼくにとっての非常事態なんてない!君より、大切なものなんて、ぼくに見つかるはずもない!

君ともう、会えなくなるなんて、人生、大ピンチだ!

しかも、だれが助けてくれるでもない。自分で完結しなければならない。なのに、みんな反対する。

どうにかしなきゃ!どうにかしなきゃ!と考えた苦肉の策が、あれだった。

君は、いつまでも、笑ってるんだろうけど、ぼくにしてみれば、人生の一大事だ!

これほどまでに、きれいな女性!ぼくは、見たことがない!


世の中には、相変わらず、くだらない歌ばっかり流れてるよ。

のんきに、ひとのこころもしらず、恋の歌なんて歌ってる。

ねえ。なんで、そんなにのんびり構えてられるの?

こんな重大な問題をぼくはかかえてるというのに......

いつだって、あいつらときたら......



ところで、結局、君の思惑通り!君とぼくは、会えなくなった。

君は、いま、なにしてるの?楽しくやってる?まさか!ぼくより他のひとと君は......


うわーーーーっ!そんなのやだよ~。やだよ~、そんなの。大切な君が。うわーーーーーっ!頭が壊れてしまいそうだ!

君!なにしてるんだ!そいつは、まともな男なのか!!

よく、考えるんだ!

待ちたまえ!!

そいつと、どうにかなっちまう前に、待ちたまえ!

君は、正気に戻るべきだ!


もう、ぼくは、これ以上、ハードボイルドな人生を生きていくのが嫌になった!

もう、いやだーー!一人なんて。もう、まっぴらだーー!

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