全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ殺人事件

@mish1ro

第1話

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド



 頭上で何か大きな音がしたような気がする。高架下で電車が通る音を聞いたような、自分がいる部屋の上の階で、やたらと多くの人々が走り回ったような……。

「警部、どうしたんですか。急に黙り込んで」

 怪訝そうに佐藤が尋ねてきた。いかんいかん。連日の捜査が応えているのかもしれない。俺ももういい年だ。

「すまない。先日起きた殺人事件の話だったな。被害者は……」



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド



「被害者の……名前は何だったかな」

「警部、しっかりしてくださいよ。資料にも書いてあるじゃないですか。被害者の名前はですね」

 佐藤は後ろ髪を書きながらノートパソコンを開き、捜査資料のファイルを立ち上げた。俺と佐藤はディスプレイを覗き込んだ。

「何だこの資料。被害者の名前がどこにも書いてないじゃないか。しかも空欄が多い。佐藤、君がこの資料を作ったんだろう。不備が多すぎるんじゃないのか」

「そんなはずは……と言うか警部、先日警部にもこの資料を確認していただいたはずですよ。被害者の名前が記入されていないなんてミスがあれば、その時に警部が指摘したはずです」

 一理あるなと思いながらも「間違って別の資料を見せたんじゃないか」と佐藤に指摘した。おかしいなぁと言いながら佐藤はふたたび事件資料を探し始める。



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

ドォン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



 轟音とともに大きな揺れが署内を襲った。地震かと身構えたが、揺れは一瞬起こっただけで、すぐに収まったようだ。俺は手元の携帯を開いて地震速報が見られるサイトを開いたが、地震が発生したという情報は得られなかった。佐藤のほうを見やると、俺と同じように携帯から情報を得ようとしていたようだ。

「何だったんだ? 今の揺れは……ん? どうした、佐藤」

 佐藤は先ほどまでとは打って変わって、呆けたような顔で俺のほうを見てくる。そして、自分でも何を言っているかわからないような様子で、何を言っているかわからないようなことを言った」

「警部、全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れが全てを破壊しながら突き進んでいます!」

 

 



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