警告!3分以内に地球を救え!
上野蒼良@11/2電子書籍発売!
最後の砦
セイラ・カトウには、3分以内にやらねばならない事があった。
「……くっそ! ハドロンネットワークがやられた! このままじゃ……!」
彼が所属する全世界連合は今、外宇宙から現れたもう一つの世界の地球軍との超宇宙戦争の真っ只中だった。
彼は、全世界連合の超巨大ロボットこと通称
外宇宙から来たもう一つの人類の軍団。地球軍との熾烈な戦いの中、彼らの優れた科学力に敗北しそうになっていた我らが全世界連合は、とうとう彼のいる最後の砦。月面基地防衛戦を展開。
しかし、それも時間の問題であった。このままでは地球が占領されてしまう。それだけは避けねばならない。カトウは、必死に最後の力を振り絞ってコックピットの中でレバーを引いた。
後、3分……! 後3分の間に倒せないと終わってしまう。それだけは……それだけは!
彼は、ロムルスエネルギーの充電状況を確認する。
「くっそ! 後、2分はかかる! しかし、こいつの一撃があれば……奴らに勝てる! 後2分持ち堪えてくれ!」
時計の針が、刻一刻と進んでいく中、彼は必死に操縦をして敵の攻撃から逃れていた。
ここを落とされれば地球は奴らの手に落ちる! そして俺も……。その前に倒すんだ!
「エネルギー充電96%! 所要時間残り30秒! ターゲットロックオン! 射撃準備いつでもオーケーだ! さぁ、いくぜ……」
間に合ってくれ……。
その願いを込めて彼は、引き金に指を当てる。そして──。
「充電完了! ファイナルバースト発射!」
彼がスイッチを押し、そして強烈な太さのエネルギー光線が放出され、敵の軍団に当たろうとする……。
瞬く間に敵の軍団が壊滅していく。天の川銀河に新たに輝く星々のように蹂躙されていった。
「よっしゃ! 間に合った!」
言葉では嬉しいはずなのに彼の瞳には何故か涙が浮かんでいた。撃たれたロボットのコックピットの中からは紅の鮮血。焼けて千切れた指が宇宙空間に放出されていた。
勝てたはずなのに、勝てた気がしない。彼の心を黒い悲しみが包むのであった……。
警告!3分以内に地球を救え! 上野蒼良@11/2電子書籍発売! @sakuranesora
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