第59話 461さん重複スレも立つ【続・掲示板回】

【朗報】461さんと天王洲アイル、渋谷ダンジョン攻略する


1. 名無しの観測者

ボス倒した瞬間思わず泣いちゃったんだ!


2. 名無しの観測者

なんや?ブギハメがスレ立てしたんか?


3.ブギハメくん

いち早くスレ立てしたかったんだ!461さんとアイルちゃんにこんな熱心なファンがいるって知らせたいんだ!(*^○^*)


4.名無しの観測者

ファンになっとるやんけ


5.名無しの観測者

もう本スレ立ってるぞ


6.ブギハメくん

(´・ω・`)


7.名無しの観測者


8.ブギハメくん

でもでも!みんなだって今回感動したはずなんだ!


9.名無しの観測者

まぁ、渋谷だしな。クリアはすごいと思う


10、ブギハメくん

そうなんだ!そういうのを語り合いたかったんだ!


11.名無しの観測者

俺も今回ヤバかったわ。マジで勝てる相手に思えなかった


12.名無しの観測者

全攻撃パリィヤバかった。ウォタクさんが攻撃捨てたからって言ってたよな?


13.wotaku

通常だと次の反撃に備えないといけない。今回は攻撃を他のメンバーに託したからアレだけのことができた


14.名無しの観測者

ウォタクさん来た


15.名無しの観測者

ほーん……実際ウォタクさんから見てどうやったん?あのボス戦


16.wotaku

あそこまでやると思ってなかった


17.名無しの観測者

ジークリード達スキル奪われた時点で勝てる気しないよな


18.ブギハメくん

でも実際戦ったら完封してたんだ


19.shachiキン

なんか理由あんの?


20.wotaku

あのスキル・ルーラーと名乗ったボスは渋谷のモンスターを全て取り込みスキルを使用していた。反面、461さんは取り込まれたモンスターを全て把握していた。ボスにとって相性は最悪だった


21.ブギハメくん

すごいんだ!


22.名無しの観測者

はえ〜すごE


22.shachiキン

ヲタクw早口で言ってそうwwww





「はぁ!? なんだコイツ……っ!?」




 個人スマホを叩き付けそうになり、すんでの所で止めた。なんだこのコテハン!? 聞かれたから答えただけだというのに……っ! 意味も無く煽るとはなんて無礼なんだ……っ!!


「私がどんな思いで説明してると思うんだ!! クソクソクソッ!!!」


 思わず大声をあげてしまい、周囲にいた人達が怪訝そうな顔をする。しまった!? つい熱くなってしまった……れ、冷静になれリレイラ。こんなヤツのことを気にしてる場合じゃないだろう。



 あ。



 そういえば今何時だ?



 時計を見ると時間はもう16時半を過ぎていた。マズイ。外回りしながらスマホで配信を見ていたらこんな時間に……いや、仕事は終わらせたが、流石に怒られるか……。


 いや! 今日を乗り越えれば明日は休みだ。いっそのこと今日は直帰にしてやろう。さっき行った大学の教授、いつも話長いしそれを理由に。うん、そうしよう。部長のことだ。休み挟んだら忘れるだろ、多分。


 急いで事務所へ連絡する。幸い部長は会議中で、同僚のサラが電話に出た。


『どうしたんですか先輩? 今日はやけに遅いですけど』


「あ、ダンジョン大学の教授の話が長くてな。今日なんだが予定表を直帰にしておいてくれないか?」


『分かりました! お気を付けて!』



 プツリと切れる通話。ふふっ、これでよし。部長がいなくて良かった……。


 自動販売機でミルクティーを買い、側のベンチに座る。空を見上げると、鮮やかな夕焼け色に染まっていた。もう仕事が終わったと思うと余計に綺麗に見える気がするな。



 ……。



 ヨロイくん、正直驚いた。彼にスキルイーターの情報を気付かせることができればと考えたが、あれほどまでとは……。


 スキルイーターにダメージを与えプライドを傷付け、ヤツのコンプレックスを見抜いた上で挑発……動きを単調にすることで厄介なスキル発動を防ぐ。仲間達のできることを把握した上で陣形を組み、ヨロイ君自身が盾となる。


 彼は……私の想像よりも遥かに強い。何よりもその精神が。


 今回もアイル君やジーク君にミナセ君、みんなの精神を支えたからこそ、最後にあそこまで戦えた。彼がいるだけで全てが上手く行くと思える。彼がいるだけで周囲の者は変わって行く。前に進んで行く。この私も……以前より疎外感を感じなくなったし……。


 あ、マズイ……顔が熱くなって来た。会いたくなって来た。でもみんな疲れてるだろうし。でも、会いたい……会いたい。彼が、みんなが、無事だって確かめて沢山褒めてあげたい。



「れ、連絡しよう……かな」


 通話ボタンをタップする。すぐに聞こえる無邪気な彼の声。会いたいと言うと、みんなで冒険家Bに行こうという話になった。



 良かった、本当に。

 


 みんなが無事で、本当に良かった。




―――――――――――

 あとがき。


 次回、リレイラさんの上司が登場。何とヨロイさんに「クラス」の話を……?

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